演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

腹臥位胸腔鏡下食道切除術における両肺換気シングルルーメンチューブ挿管の有用性

演題番号 : P15-7

[筆頭演者]
渡部 雅人:1 
[共同演者]
末原 伸泰:1、古賀 健一郎:1、野口 浩司:1、西原 一善:1、中野 徹:1、光山 昌珠:1

1:北九州市立医療センター外科

 

[背景] 2009年1月より腹臥位胸腔鏡下食道切除術を導入して2015年3月まで132例施行した。麻酔は分離肺換気で行っていたが開胸移行例がなかったため2014年1月より両肺換気で行っている。 [方法] 体位は右上肢を高く拳上した完全腹臥位で後腋窩線を中心に第3,5,7,9肋間に12mmポートを挿入して6-8mmHgの気胸併用完全胸腔鏡下で胸部操作を行う。2014年1月より2015年3月までシングルルーメンチューブ挿管(S群)した両肺換気で37例行い、気管の可動性が増し左上縦隔の術野が広くなった印象があるため、2012年4月から2013年12月までダブルルーメンチューブ挿管(D群)した分離肺換気で行った36例と比較検討した。当科の手技は、右反回神経周囲リンパ節の郭清では神経背側のリンパ組織を左手で牽引し助手に右迷走神経を尾側に直線化させ、神経上膜を露出する層で右鎖骨下動脈の背側上縁まで右反回神経を同定して食道枝を剪刃で切離し、ここでリンパ組織にクリッピングして右側の頚胸境界部とする。左反回神経周囲リンパ節の郭清は食道離断後行い、リンパ組織を左手で牽引し助手に右気管支膜様部を圧排させ、大動脈弓部で左反回神経を確実に同定して神経上膜を露出するように食道枝を剪刃で切離して頸部に向かい、右側と同じ高さまで剥離して前方に向かうリンパ組織にクリッピングして左側の頚胸境界部とする。[結果]胸部平均手術時間はS群189分/D 群242分で有意(P<0.001)にS群で短く、胸部平均出血量はS群23g/D 群46gで有意(P<0.01)にS群で少なかった。左反回神経周囲リンパ節郭清個数はS群4.2個/D群3.6個で有意ではないがS群で増加した。左声帯麻痺はS群7例19%/D群9例25%認め有意ではないがS群で減少した。[考察]腹臥位人工気胸下では両肺換気でも縦隔の展開は良好でありシングルルーメンチューブにしたところ気管の可動性が増したため、当科の食道先行離断による良好な術野での左上縦隔郭清の精度が更に向上した。Learning curveの影響は否めないが腹臥位人工気胸下で胸腔鏡下食道切除術を行うならばシングルルーメンチューブ挿管で行うべきと考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:内視鏡手術

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