演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

食道癌術後肺炎の診断におけるCT検査の有用性に関する検討

演題番号 : P15-5

[筆頭演者]
林 雅人:1 
[共同演者]
竹内 裕也:1、川久保 博文:1、庄司 佳晃:1、福田 和正:1、中村 理恵子:1、高橋 常浩:1、和田 則仁:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学病院一般・消化器外科

 

背景
食道癌根治術は他の消化器手術と比較し高度な侵襲を伴い, 術後合併症発症率は45%に上ると報告されている. なかでも呼吸器関連合併症は最も頻度の高い合併症であり, 在院死亡の原因の一つとなっている.当科では原則術後第6病日に頸部-骨盤部CT検査を施行し,肺炎を含む術後早期合併症のスクリーニングを行っている.

目的
食道癌術後,肺炎に関するCT検査の有用性を検討する.

方法
2012年1月から2014年12月の間に当科で施行した開胸開腹を伴う食道癌手術135例のうち, 一期的に胃管再建を行った122例を対象とした.胸部単純Xp検査(以下,CXP),CT検査共に1か所以上の浸潤影を認めたものを肺炎と定義した. 術後合併症としての肺炎及び誤嚥性肺炎は区別しなかった. CT検査結果にて肺炎陽性群(以下, CT(+))と肺炎陰性群(以下, CT(-))に群別し, 術前肺機能を含む患者背景や手術因子, CXPにおける肺炎診断率を2群間で比較検討した.

結果
CT(-)群は75例(61.5%),CT(+)群は47(38.5%)例であった.性別,病期,腫瘍占居部位,術前治療, 術前1秒率等の患者背景には有意差を認めなかった. 手術時の年齢の平均値はCT(-)群が62.9歳,CT(+)群が66.7歳 とCT(+)群で有意に高値であった(p = 0.015). 又,術前%肺活量の平均値はCT(+)群が98.1%,CT(-)群が104.1%とCT(+)群で有意に低値であった(p = 0.032).胸腔鏡・腹腔鏡使用有無,再建経路,吻合部位,リンパ節郭清領域, 胸管合併切除有無,手術時間,出血量等の手術因子は両群間で有意差を認めなかった.
CT(-)群中CXPにて肺炎陽性と診断された症例は 3例(4%),CT(+)群中CXPにて肺炎陰性と診断された症例は24例(51.1%)であった.

結語
年齢, %肺活量は食道癌術後肺炎のリスク因子であることが示唆された.又, CT検査はCXPでは診断できない軽微な食道癌術後肺炎の診断を可能とし, 早期診断及び早期治療に寄与する事が示唆された.

キーワード

臓器別:食道

手法別:診断

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