演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

高齢者食道癌に対する放射線化学療法/放射線単独療法の意義と適応

演題番号 : P15-1

[筆頭演者]
折田 博之:1 
[共同演者]
矢野 博子:1、武藤 純:1、高浪 英樹:1、近沢 信人:1、山田 大輔:1、水田 篤志:1、牧野 一郎:1、東 秀史:1

1:医療法人社団新日鐵八幡記念病院外科

 

【はじめに】近年本邦では高齢化に伴い高齢者の食道癌患者も増加しているが、食道癌に対する根治的放射線化学療法は手術より侵襲も少なく同等の治療効果が期待される一方で、高齢者の放射線化学療法に対する認容性や効果は明らかではない。そこで当施設で放射線化学療法または放射線単独療法が施行された75歳以上の食道癌患者の治療成績について検討した。【対象と方法】2010年から2014年に75歳以上の食道癌患者に対して放射線化学療法が行われた(CRT群)7例と放射線単独療法(RT群)3例を対象として背景、治療完遂率や治療強度、副作用、治療成績について解析した。【結果】対象症例全体の男女比は6:4で年齢は77~87歳、CRT群は77~85歳(平均83.0)、RT群は81~87歳(平均83.7)であった。臨床病期はCRT群がIII期5例、IVB期2例でありRT群では3例中2例は0期で1例がIII期であった。CRT群のIVB期1例で副作用のため照射が15.75Gyで中止された以外はCRT群、RT群とも50Gy以上の照射が完遂された。一方、CRT群の化学療法は4例で低容量FP療法、2例でS-1単剤、1例でDCF治療が選択されていた。FP療法、DCF療法はいずれも副作用のため治療が完遂出来ず、S-1単剤の1例のみが投与を完遂された。ただ、化学療法中止の多くがGrade 2で治療が中止や休止とされていた。また、RT群1例に放射線性心嚢炎、胸膜炎のため入院治療が必要となったが、全例で治療関連死はなかった。治療成績をみるとCRT群のIVB期は治療開始後2.4ヶ月と6.9ヶ月で死亡し、III期5例のMSTは22.8ヶ月と不良であったが、RT群ではIII期1例はPDとなり10.4ヶ月で死亡したものの0期2例はCRとなって40.9ヶ月と8.2ヶ月生存中である。【まとめ】75歳以上の高齢者に対する放射線化学療法はIII期のMSTが22.8ヶ月と不良であったが、薬剤強度が低くなったことが一因と考えられた。放射線治療についてはCRT群、RT群とも完遂率は高く高齢者でも認容可能であり、Tiaの2例では観察期間中に再発は認められていない。【結語】表在癌であれば臓器機能が低下した高齢者であっても放射線単独治療が有用な治療法と考えられた。しかし、進行癌に対する根治的放射線化学療法は有効な抗がん剤の治療強度を確保することが難しく適応について十分考慮すべきである。

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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