演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

パゾパニブの最適な初回投与量・目標維持量の検討

演題番号 : P146-11

[筆頭演者]
阿部 健作:1 
[共同演者]
山本 憲男:1、林 克洋:1、武内 章彦:1、三輪 真嗣:1、稲谷 弘幸:1、青木 裕:1、樋口 貴史:1、土屋 弘行:1

1:金沢大学大学院医学系研究科機能再建学

 

【目的】
パゾパニブは本邦において,悪性軟部腫瘍の治療薬として2012年9月に承認された.しかし,その投与方法については一定の見解を得られていない.今回我々は,当院におけるパゾパニブ投与症例を比較検討し,その投与方法について見解を得ることを目的とした.
【方法】
当院でパゾパニブを投与開始した15症例(2012-2014,男性10症例,女性5症例)について,比較検討した.導入時平均年齢は64.0歳(40-83),原発腫瘍はMFH 8例,平滑筋肉腫 2例,その他 5例,全例遠隔転移があり,手術・化学療法などの前治療歴があった.
【結果】
平均投与期間は5.9ヶ月(1.3-20.2),投与後生存期間は7.3ヶ月(1.3-20.2)であった.効果判定が行われた11例中,判定時点で1例がPR,7例がSD,3例がPDであった.転帰は,7例でAWD,5例でDOD,3例は追跡不能であった.初回投与量は,800mg 4例,600mg 2例,400mg 4例,200mg 2例,100mg 3例であり,副作用に応じて投与量を適宜増減した.初回量またはそれ以上の用量で2週以上維持できたのは13例(87%)であり,2週未満で減量を余儀なくされたのは初回量800mgの2例であった.4週未満で減量を余儀なくされたのは,追加治療による休薬を除く4例で,それぞれ初回量が100mgで1例,400mgで1例,600mgで2例であった.最長維持量は平均317.8mg,3.3ヶ月(0.7-8.9),600mg 1例,400mg 8例,200mg 4例,100mg以下2例であった.初回投与量と最長維持量との比較で,初回量から維持または増量出来たのは初回400mg 3例(75%),200mg 2例(100%),100mg 2例(67%)であった.最長維持量と最大投与量の比較で,最大投与量が最長維持量であったのは,400mg 5例(100%),200mg 4例(100%),100mg 1例(50%)であった.
【考察】
パゾパニブは副作用により減量され,維持が困難という課題がある.今回の検討から,初回投与量に関わらず,少なくとも2週は減量が不要な例が大半であった.しかし,初回量が600mgや800mgといった比較的高用量であると,4週以内に減量または中止となった例が6例中4例(67%)であり,初回量には適さないと考えた.一方で,200-400mgで比較的安定した内服が可能であることが示唆された.また,同量が最大投与量にもなり得る可能性が比較的高く,それ以上の量での長期投与は比較的困難であると考えられた.
【結語】
本研究から初回量は400mg以下が,目標維持量の第一段階としては400mgが現実的であると考えた.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:分子標的治療

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