演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

化学療法により長期生存が得られた脾臓原発血管肉腫の一例

演題番号 : P146-10

[筆頭演者]
武原 正典:1 
[共同演者]
宮本 弘志:1,2、岡田 泰行:1、三井 康裕:1、藤野 泰輝:1、田中 久美子:1、木村 哲夫:1、北村 晋志:1、岡本 耕一:1、仁木 美也子:1、木村 雅子:2、六車 直樹:1、岡久 稔也:1,3、坂東 良美:4、高山 哲治:1,2

1:徳島大学大学院医歯薬学研究部消化器内科学、2:徳島大学大学院医歯薬学研究部腫瘍内科学、3:徳島大学大学院医歯薬学研究部地域総合医療学、4:徳島大学病院病理部

 

【症例】60台、女性。【主訴】左側腹部痛、背部痛。【既往歴】高血圧、子宮筋腫。【家族歴】特記すべき事項なし。【現病歴】2012年6月末から左側腹部痛、背部痛が出現したため、近医を受診した。血小板低下、炎症反応高値、脾腫を認めたため、緊急で前医に紹介となった。前医の検査では、造影CTにて脾臓と肝臓に多発するLDAを認め、脾・肝膿瘍として加療された。しかし、画像所見では改善なく、腫瘍性病変が疑われた。肝腫瘍生検を行い血管肉腫と診断されたため、精査加療目的に当科紹介となった。【現症】PS1,身長150㎝、体重48㎏、血圧153/69mmHg、結膜に貧血、黄疸なし。胸部に異常認めず。腹部:平坦、軟、圧痛なし。心窩部に肝を3横指触知する。下腿浮腫なし。【血液検査所見】CBCでは血小板減少を認めるのみ。肝腎障害なし。炎症反応は軽度高値。FDPも高値を示した。腫瘍マーカーは正常。【腹骨盤CT】脾臓は11×7㎝大と腫大し、脾臓全体を置換する不整形の低吸収域あり。肝両葉に多数の造影効果の乏しい低吸収腫瘤を認める。【骨シンチ・MRI】腰椎、仙骨、骨盤骨に多数の転移像を認める。【経過】以上の検査所見から脾臓原発血管肉腫(Stage IV)、多発肝・骨転移と診断した。また、入院時にDIC(DICスコア:7点)を併発しており、早急な化学療法の導入が必要と判断し、一次治療をWeekly PTXにより開始した。最良効果は37%縮小のPRであった。二次治療以下はADM単剤、パゾパニブ、docetaxel単剤、GEM+docetaxel療法、IFM単剤の各レジメを施行した。しかし、その後PDとなり、当科紹介から23か月目に、肝不全で永眠された。【考察】血管肉腫は非常に稀な疾患であり、全肉腫の1%以下である。また、脾臓が原発となるのは4%と報告されている。予後は極めて不良であり、多くの場合、診断されてから1年以内である。転移は血行性転移が主である。遠隔転移を有する血管肉腫に対する治療は確立されておらず、liposomal doxorubicineやPTXが有効との報告がある程度である。本症例では、一次治療にPTXを使用しPRが得られ、その有効性が認められた。【結語】遠隔転移を有する脾臓原発血管肉腫に対して、PTXをはじめとする化学療法を施行し長期生存が得られた症例を経験した。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:化学療法

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