演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

骨・軟部腫瘍に対するCTガイド下生検の検討

演題番号 : P146-5

[筆頭演者]
延藤 博朗:1 
[共同演者]
杉田 孝:2、平尾 健:3、井上 博幸:1、村上 祐司:1、西田 幸司:1、永松 将吾:4、森永 絵理:1、猫本 明紀:1、望月 由:1

1:県立広島病院整形外科、2:広島県厚生農業協同組合連合会尾道総合病院、3:平尾クリニック、4:県立広島病院形成外科

 

【目的】骨・軟部腫瘍の診断においては,画像のみならず生検による組織診断が極めて重要である.しかし,深部発生腫瘍に対する切開生検はその後の治療計画や手術侵襲に影響を与える場合も散見されるため,CTガイド下生検はひとつの有用な方法と考えられる.今回,われわれは当院にてCTガイド下生検を行った骨・軟部腫瘍症例を検討したので報告する.
【対象と方法】2005年より2014年までの24例である.年齢は2-83歳で平均54.1歳,性別は男性13例,女性11例であった.部位は,骨盤骨8例(腸骨6例,恥骨1例,臼蓋1例),脊椎4例(胸椎2例,仙骨2例),肩甲骨3例,肋骨1例,軟部組織8例(後腹膜5例,背部2例,鼡径部1例)であった.以上の症例に対し,正診率,合併症等について検討した.
【結果】24例中21例(87.5%)で確定診断が得られた.内訳は,骨転移6例(肺癌5例,肝細胞癌1例),悪性リンパ腫3例,軟骨肉腫3例,好酸球性肉芽腫2例,骨肉腫骨転移・未分化多形肉腫・分類不能肉腫・神経鞘腫・慢性骨髄炎が各1例であった.全例病巣の組織採取は得られていたが,3例で確定診断に至らず2例に対し切開生検を施行,最終診断は線維性骨異形成症(生検前;軟骨形成性腫瘍)および化骨性筋炎(生検前;骨外性骨肉腫)であり,1例では画像所見より総合的に判断し骨軟骨腫と診断した.今回,手技に伴う血管・神経,内臓損傷や血腫形成などの合併症はみられなかった.
【考察】CTガイド下生検の利点は,生検針の位置をほぼリアルタイムに確認し目的とする部位からの組織を採取でき,重要臓器あるいは血管・神経を確認することにより安全に手技を行うことができることである.切開生検と比較して低侵襲性であるため,生検創部の汚染を最小限に留め,診断確定後の根治的治療に対する影響が少ないと考えられる.我々の症例では,生検後の根治的治療に影響を及ぼした症例はなく,手技に伴う合併症も認めなかった.欠点として,検体組織の採取量が少なくなることによる病理亜型や悪性度の正診率低下,CT使用による被爆などの問題があげられる.今回の検討では,24例中21例で診断可能であり,諸家の報告とほぼ同様な結果が得られた.正診率向上には,CT,MRI,PET-CTなどにより腫瘍全体の性状を正確に把握し,病理組織診断に不適切と考えられる変性や壊死,出血部分の生検を避け,viableな腫瘍細胞の存在する可能性が高い部分から組織を採取することが最も重要である.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:診断

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