演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

上肢の骨軟部腫瘍に対するMRIの正診率の検討

演題番号 : P146-4

[筆頭演者]
土田 真嗣:1 
[共同演者]
白井 寿治:1,2、寺内 竜:1、溝尻 直毅:1、森 裕貴:1、藤原 浩芳:1、久保 俊一:1

1:京都府立医科大学大学院医学系研究科運動器機能再生外科学(整形外科)、2:金沢大学医学部整形外科学教室

 

【目的】本研究では,上肢に発生した骨軟部腫瘍および腫瘍類似疾患の術前のMRIによる画像診断と術後の病理組織診断の正診率を算出し,MRIにおける検査限界を検討することを目的とした.
【方法】2011年から2015年3月に当科で術前のMRI検査,および手術療法を行い,病理学的診断が得られた上肢発生の骨軟部腫瘍および腫瘍類似疾患の62例を対象とした.男性37例,女性25 例,平均49.2 歳,症状が出現してから手術までの平均期間は10.5ヵ月であった.発生部位,組織型,術前のMRIによる画像診断の正診率について検討した.
【結果】骨腫瘍の発生部位は指骨9例,中手骨3例,鎖骨1例であった.軟部腫瘍の発生部位は手指34例,前腕4例,肘4例,手関節3例,肩2例,上腕2例,腋窩2例であった.骨腫瘍の組織型は enchondroma が 7 例 で最も多く, GCT, ABC, osteoidosteoma,ostochondroma,骨内ganglion,骨内epidermal cyst が1例ずつであった.軟部腫瘍はGCTTS 10例,glomus tumor 6例,epidermal cyst 5例,schwannoma 4例,lipoma5例,ganglion 4例,hemangioma 2例,vascular leiomyoma 2例,などであった.悪性軟部腫瘍はmyxofibrosarcoma 2例,synovial sarcoma 2例であった.骨腫瘍の術前MRI正診率はenchondroma71%,ABC,osteoid osteomaは100%,その他組織型に正答はなかった.軟部腫瘍のMRI正診率はgloums tumor 100%,neurofibroma 100%,ganglion 100%,lipoma 100%,GCTTS 60%,schwannoma 70%,epidermal cyst 40%であったが,その他と悪性腫瘍に正答はなかった.悪性腫瘍のうち1例は,術前のMRI画像診断は良性腫瘍で鑑別疾患にも悪性腫瘍はなかった.
【考察】発生頻度の高い軟部腫瘍はMRIでの正診率も高くスクリーニング検査として有効であると考えた.しかし,悪性腫瘍を含めた発生頻度の低い軟部腫瘍に対しては正診率は低かった.上肢に発生する腫瘍は多種多様であり,かつサイズが小さいこともある.MRI診断と病理結果が一致したものは全体で60%であったことから,MRIで非特異的な画像所見がある場合には,悪性腫瘍を想定したアプローチが必要である.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:診断

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