演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

MDCTにて主要動脈浸潤が疑われた局所進行膵癌の検討

演題番号 : P135-9

[筆頭演者]
伊志嶺 朝成:1 
[共同演者]
本成 永:1、亀山 眞一郎:1、新垣 淳也:1、堀 義城:1、古波倉 史子:1、原 鐵洋:1、金井 理紗:1、長嶺 義哲:1、伊佐 勉:1、小橋川 嘉泉:2、仲吉 朝邦:2、内間 康文:2

1:社会医療法人仁愛会浦添総合病院消化器病センター外科、2:社会医療法人仁愛会浦添総合病院消化器病センター内科

 

2009年1月から2014年12月に当院で治療をうけた膵癌は120例(切除例:48例,非切除例:82例)であった. 遠隔転移のない膵癌は62例,遠隔転移例は58例であった.
遠隔転移のない膵癌62例の中で,術前MDCTにて主要動脈(上腸間膜動脈,総肝動脈,腹腔動脈)に腫瘍陰影が接し浸潤が疑われた局所進行膵癌23例を検討したので報告する.
症例は,切除例8例(膵頭部癌4例,体尾部癌4例),非切除例15例(膵頭部癌11例、体尾癌4例)であった.平均年齢は,切除例64.4(56-81)歳,非切除例78(51-88)歳,男女比は9:14(切除例2:6,非切除例7:8)であった.切除例の術式は,膵頭切除2例,DP- Car4例,残膵全摘1例,膵全摘+肝動脈合併切除再建1例であった.切除例2例は術後303,378日目に死亡,6例は生存中,平均観察期間は634.7(30-1847)日であった.非切除例の平均生存期間は286.5(95-510)日であった.
切除例8例のうち,術前化学放射線療法症例は5例(効果判定/Evans分類I:2例,IIa:1例,IIb:1例,III:1例)で4例が生存中(観察期間30-1847日)であった.1例は切除不能局所進行膵癌の診断であったが,術前化学放射線療法により切除可能となり,治療開始後440日,術後333日生存中である.切除例は,術中切除断端の細胞診,迅速病理検査等で切除断端陰性を確認した.
非切除例15例の非切除の理由は,上腸間膜動脈浸潤10例,腹腔動脈浸潤5例,門脈-上腸間膜静脈浸潤再建不能3例であった(重複あり). 上腸間膜動脈浸潤の1例は術前化学療法中に肝転移が指摘され非切除とした症例であった.非切除例15例(平均生存期間286.5日)のうち,化学療法と放射線治療を施行した症例は3例あり,1例は術前化学放射線療法を施行したが切除不能であった.2例は,切除不能局所進行膵癌の診断にて化学療法と放射線療法を施行した.化学療法と放射線治療を施行した3例の平均生存期間254日,化学療法のみ施行した12例は294.3日であった.
後方視的検討ではあるが,主要動脈周囲浸潤があり動脈浸潤が疑われる症例も,切除断端陰性の手術が可能であれば,非切除例より予後が改善する可能性があり,術前化学放射線治療が,切除断端陽性率,再発率の低下に有効である可能性がある.
高度の侵襲を伴う局所進行膵癌の手術適応は慎重でなければならないが,遠隔転移がない症例で切除断端陰性となる手術が安全に施行できれば,予後改善に寄与する可能性がある.若干の文献的考察を加え報告する

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:集学的治療

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