演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

膵頭部癌の術前病期診断の検討

演題番号 : P135-5

[筆頭演者]
杉浦 禎一:1 
[共同演者]
岡村 行泰:1、伊藤 貴明:1、山本 有祐:1、蘆田 良:1、上坂 克彦:1

1:静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科

 

目的:
膵頭部癌の術前病期診断の意義について検討した。
対象と方法:
2008年から2013年までに当院で切除した膵頭部癌患者151例を対象とした。年齢(中央値)67歳、男性83例、女性68例。術前病期診断は主にMDCTを用いて行った。その他、腹部超音波、超音波内視鏡、MRI、FDG-PETの結果も参考所見として用いた。リンパ節の診断は長径10mm以上を転移ありとした。門脈浸潤は門脈と腫瘍の間の脂肪織が消失した場合を陽性とした。膵前方組織への浸潤および膵後方組織への浸潤は腫瘍と膵周囲脂肪組織の間に正常膵実質が介在しない場合とした。術前病期診断はUICC第7版に則って行った。この術前病期診断の結果を病理診断による最終病期と比較検討した。また、術前病期別の生存率を算出した。
結果:
膵局所進展度の正診率はT1:20%(1/5)、T2:0%(0/3)、T3:98%(140/143)であり全体では93%(141/151)であった。門脈浸潤の診断は感度76%、特異度78%、陽性的中率67%、陰性的中率35%、正診率77%であった。
リンパ節転移の術前診断は感度31%、特異度93%、陽性的中率95%、陰性的中率25%、正診率43%とリンパ節転移を過小評価する傾向があった。術前病期診断の結果はStage IA:5例、Stage IB:3例、Stage IIA:104例、Stage IIB:39例であった。正診率はStage IA:20%(1/5)、Stage IB:0%(0/3)、Stage IIA:23%(24/104)、Stage IIB:70%(27/39)であり、全体では34%(52/151)であった。
術前病期別の3年無再発生存率および無再発生存期間中央値はStage I (IA+IB):62.5%、50%に到達せず、Stage IIA:27.9%、15ヶ月、Stage IIB:4.2%、7ヶ月でありStage I (IA+IB)とStage IIAの間(p=0.021)、Stage IIAとStage IIBの間(p=0.001)に有意差を認めた。術前病期別の3年全生存率および全生存期間中央値はStage I (IA+IB):56.3%、50%に到達せず、Stage IIA:39.6%、26ヶ月、Stage IIB:13.5%、15ヶ月でありStage I (IA+IB)とStage IIBの間(p=0.041)、Stage IIAとStage IIBの間(p=0.001)に有意差を認めた。
結語:
膵頭部癌において画像による術前病期診断は正診率が34%と満足いくものではなかった。その原因として、リンパ節転移の過小評価が主な原因と考えられた。一方、術前病期診断はその予後予測に有用であると思われた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:診断

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