演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

術後の病理診断により良性と判明した術前悪性診断の膵頭十二指腸切除症例の検討

演題番号 : P135-3

[筆頭演者]
木村 健二郎:1 
[共同演者]
天野 良亮:1、山添 定明:1、大平 豪:1、西尾 康平:1、三浦 光太郎:1、渋谷 雅常:1、永原 央:1、豊川 貴弘:1、前田 清:1、大平 雅一:1、平川 弘聖:1

1:大阪市立大学大学院腫瘍外科

 

背景)近年、超音波内視鏡(EUS)、経口胆道鏡(POCS)、あるいは胆管腔内超音波検査(IDUS)などの進歩により、膵頭部領域腫瘍に対する術前診断能は進歩している。これらのモダリティーにより術前病理診断で悪性の診断がついた後に手術を行うことが多くなっている。しかし、術前に画像診断では悪性疾患を強く疑うが、術前病理診断で悪性診断がえられず膵頭十二指腸切除を行い、術後に良性であることが判明する症例も少なからず存在する。今回、当科で切除した膵頭十二指腸切除症例において、術後に良性であることが判明した症例を検討した。
方法)2009年より2014年までに膵頭十二指腸切除術を施行した156例のうち、術前にIPMN(IPMN由来浸潤癌を除く)やMCNあるいはSPN等の良性疾患の診断であった28例を除いた128例を対象とした。
結果)術前に膵頭部悪性腫瘍の診断で128例の膵頭十二指腸切除術を行い、術後病理診断で良性疾患であった症例は6例であった(4.7%)。内訳は、術前診断が浸潤性膵管癌53例中に2例(B-prePC: 3.8%)、術前診断胆管癌39例中に4例(B-preBC: 10.3%)の術後病理検査により良性と判明した症例を認めた。術後の最終病理診断は、B-prePCの2例は自己免疫性膵炎と慢性膵炎、B-preBCの4例はすべて非特異的炎症のみの所見であった。B-preBCの4例中、黄疸を認めた症例は1例のみであったが、全症例において胆管狭窄と胆管壁の肥厚像および肝側胆管の拡張像を認めていた。また、2例においては、ERCの擦過細胞診あるいはEUS-FNAの細胞診でclassⅣがえられていた。
考察)膵頭十二指腸切除術は侵襲の大きな手術で合併症率も高く、言うまでもなく不要や手術は避けるべきである。今回、膵頭十二指腸切除症例における偽陽性症例の検討を行ったが、B-prePCの自己免疫性膵炎であった症例以外は、後方視的にも手術の回避は難しい症例であったと思われた。浸潤性膵管癌を疑う症例と比較し、胆管癌を疑う症例において偽陽性率は高く存在した。胆管癌を疑う症例で、胆管狭窄や壁肥像あるいは胆管拡張像を認めていても炎症性変化のみの可能性があることを念頭においておく必要があり、偽陽性率の低下に努めるべきと考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:診断

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