演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除の成績

演題番号 : P131-8

[筆頭演者]
武田 裕:1 
[共同演者]
大村 仁昭:1、桂 宜輝:1、中平 伸:1,2、佐藤 泰史:1、森本 祥悠:1、桑原 隆一:1、村上 剛平:1、内藤 敦:1、沖代 格次:1、賀川 義規:1、竹野 淳:1、柄川 千代美:1、加藤 健志:1、田村 茂行:1

1:独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院外科、2:独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター外科

 

腹腔鏡下肝切除は2010年4月に先進医療から保険収載され、低侵襲性と整容性に優れた術式として普及してきた。一方悪性腫瘍に対する腹腔鏡下手術の治療成績は検証されていない。当院における肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除の治療成績を検討した。
対象と方法
2010年5月から2015年3月までに314例の腹腔鏡下肝切除を施行した。肝細胞癌は198例であった。これらの症例を2004年1月から2010年4月までに施行した開腹肝切除症例92例と比較検討した。患者背景は、腹腔鏡下肝切除・開腹肝切除が各々、年齢71.1・68.3歳(p=0.009)、性別男女140/58・72/20 (ns)、Child-Pugh(A/B/C) 181/17/0・85/7/0 (ns)、肝障害度129/68/1・65/27/0 (ns)、Stage(I/II/III/IV) 60/97/30/11・19/39/23/11 (p=0.024)であった。完全腹腔鏡下は178例、開腹移行3例、補助下・用手補助移行は4例であった。
結果
腹腔鏡下肝切除・開腹肝切除が各々、手術時間335・214分 (p<0.001)、出血量407・1343 g (p<0.001)、術後在院日数16.6・15.6日(ns)、第1病日AST 541・421 IU/l (ns)、ALT 366・323 IU/l (ns)、T Bil 0.96・1.21 mg/dl (p=0.001)、WBC 9474・11584 /μl (p<0.001)、CRP 1.28・2.85 mg/dl (p<0.001)であった。術後出血3・4例(ns)、胆汁漏11・2例(ns)であった。3年無再発生存期間は腹腔鏡下肝切除・開腹肝切除が各々、StageI 45.2・33.2% (p=0.4407)、StageII 35.6・39.6% (p=0.8710)、Stage III 62.1・10.4% (p=0.0122)、StageIVA 62.5・13.3% (p=0.2626)、肝障害度A 52.4・28.0% (p=0.0261)、肝障害度B 37.3・21.9% (p=0.0928)であった。
考察
腹腔鏡下肝切除は手術時間を要したが出血量は少なく、第1病日のT Bil、WBC、CRPが低値で低侵襲であると考えられた。合併症には差が無かった。無再発生存期間は開腹肝切除と同等であり癌治療として適切であると考えられた。今後は多施設での前向き比較試験を予定している。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:手術療法

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