演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

十二指腸ファーター乳頭部癌術後経過観察中に認めた肝細胞癌の1切除例

演題番号 : P131-6

[筆頭演者]
坂東 正:1 
[共同演者]
塚田 一博:2、井村 穣二:3

1:富山県済生会富山病院外科、2:富山大学大学院医学薬学研究部消化器・腫瘍・総合外科、3:富山大学大学院医学薬学研究部病理診断学

 

【緒言】肝胆膵領域癌の予後は、他の消化器癌に比べ不良な場合が多いこともあり重複癌症例は比較的少ない。その中で比較的十二指腸ファーター乳頭部癌は予後良好ではあるため重複癌を発症する事が多いと予想されるが肝細胞癌との重複癌に関しては極めて少ない。今回我々は、十二指腸ファーター乳頭部癌に対する幽門輪温存膵頭十二指腸切除術後経過観察中に認めた肝細胞癌に対し、根治切除を施行した症例を経験したので報告する。
【症例】74歳、男性。2010年2月、黄疸で発症し、当院内科受診。精査にて十二指腸ファーター乳頭部癌と診断され、経皮経肝胆道ドレナージにて減黄の後、当科紹介となった。2010年4月、幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PPPD-II-A)およびリンパ節廓清術を施行した。病理診断は、長径3cm、patAcbの高分化型管状腺癌で、pT1a、pN0、M0のStage IAでHM0、PM0、EM0、R0手術であった。術後経過は良好で、補助化学療法は施行せず、外来通院にて経過観察中であった。2013年10月、再発チェック等の目的にて施行したCTにて、肝尾状葉に径約1.5cmの多血性腫瘤の出現を認めた。CEAおよびCA19-9は陰性であり血管造影パターンからも十二指腸ファーター乳頭部癌の転移再発とは考えにくい病変であった。HBVおよびHCVの肝炎ウイルスマーカーが陰性でかつ、アルコール摂取も機会飲酒程度であり、腫瘍マーカーのAFPとPIVKA-IIも陰性であったが、画像所見から肝細胞癌と術前診断した。2013年12月、肝左尾状葉切除術を施行した。切除標本割面の肉眼所見は、長径16mmの白色調で境界明瞭な膨張性発育の腫瘍であった。病理診断は、高分化型肝細胞癌、fc(+)、fc-inf(+)、sf(-)、vp0、vv0、a0、b0、stage Iであった。術後経過は良好で退院され、十二指腸ファーター乳頭部癌手術から5年経過し、肝細胞癌共に再発兆候無く外来通院経過観察中である。
【結語】十二指腸ファーター乳頭部癌術後に発症した、肝細胞癌の稀な異時性重複癌の1例を経験したので報告した。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:診断

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