演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

c-Met高発現肝細胞癌の臨床像

演題番号 : P131-3

[筆頭演者]
松井 聡:1 
[共同演者]
長田 真二:1、佐々木 義之:2、今井 寿:2、棚橋 利行:2、田中 善宏:2、松橋 延壽:2、奥村 直樹:2、高橋 孝夫:2、二村 学:2、山口 和也:2、吉田 和弘:2

1:岐阜大学大学院医学系研究科肝胆膵・がん集学的治療学講座、2:岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍外科

 

(目的)肝細胞癌の治療においてc-Metがターゲットとして認識され、阻害薬の臨床応用も試みられ、注目されているが、c-Met発現肝細胞癌の臨床像やc-Metが予後に与える影響は決して明らかにされているとは言えない。今回我々はc-Met陽性肝細胞癌の臨床的特徴や予後について検討した。
(対象・方法)2004年から2014年に当科で肝切除を施行した肝細胞癌症例109例を対象に①患者背景について、②切除標本でのc-Metの発現を免疫染色にて染色強度を0から3の4段階で評価し、その陽性率について、③c-Metの発現強度と臨床病理学的各因子との関係について、および④予後との関係について、統計学的手法にて検討した。
(結果)①男女比84:25、年齢中央値71歳(39-85)、BMI22.4(15.56-31.24)、ICGR15 14.5%(3.6-50)、Liver damage A 90例、B19例、Cは認めなかった。最大腫瘍径は中央値35mm(12-211)、単発78例、多発30例であった。②c-Met陽性率は69.4%であった。(評価不能例4例含む)非癌部肝組織のc-Met陽性率は87.1%であった。(評価不能例7例含む)③評価不能7例を除く102例においてc-Met高発現例(強度2,3 n=25)をc-Met低発現例(強度0,1 n=77)を比較すると、BMIが21.11±2.86vs22.88±3.25と低く(p=0.018)、系統的切除の割合が59.26%vs78.67%と少なく(p=0.05)、術前TACE症例では12%vs88%とc-Metが低発現(陰性を含む)であった(p=0.0455)。それ以外、肝機能などの周術期データや手術時間、出血量、在院日数、合併症、組織学的因子などに有為差は認めなかった。多変量解析では術前TACE未施行(オッズ比3.69 95%信頼区間1.07-17.41 p=0.0366)とBMI24.13以上(オッズ比3.39 95%信頼区間1.12-12.75 p=0.00295)がc-Met高発現の要因として抽出された。④無再発生存期間 中央値1061日vs702日、5年生存率59.1%vs60.8%で、予後については2群間に有意差を認めなかった。
(結語)①c-Metは肝細胞癌切除例の69.4%に発現していた。②TACEはc-Metの発現を有為に低下させる。③BMI上昇はc-Met高発現肝癌の要因となる。④c-Metの発現強度は予後因子にならない。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:バイオマーカー

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