演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

胆道癌細胞株と肝細胞癌細胞株におけるautophagyと細胞増殖の検討

演題番号 : P131-2

[筆頭演者]
横井 謙太:1 
[共同演者]
小林 聡:1、竹岡 みち子:1、宮川 眞一:1

1:信州大学医学部外科学教室(一)

 

【背景】胆道癌(CCC)は予後不良な疾患で根治的治療は切除のみであり,有効な術後補助及び切除不能例に対する化学療法は未だ確立されていない.分子標的薬sorafenibは肝細胞癌(HCC)に対して臨床応用されているが,発生学的に同じ起源のCCCに対しPhaseⅡでその効果は認められていない.
【目的】癌腫によりsorafenibの効果が異なる点に着目してその機序を探り,CCCに対する新たな治療法を模索する.HCCに対しsorafenibによる腫瘍増殖抑制とautophagy促進が報告されており,HCCとCCCに対しin vitroにおける増殖の変化とautophagyの発現を比較検討した.
【方法】HCC株(HLF, HuH7)及びCCC株(RBE, YSCCC)に対しsorafenib を10-20μM の濃度で投与して24-48時間培養し,MTTアッセイによるcell viabilityにて増殖抑制を比較した.
Autophagyの指標としてはLC3蛋白をwestern blottingで定量比較した.また,細胞増殖のシグナル伝達に作用する転写因子STAT3が autophagyの制御に関与するという報告もあるため,その発現についても比較検討した.
【結果】Sorafenib投与によりcell viabilityではHCC,CCCで有意に増殖抑制を認めたが,その抑制度はCCCで有意に小さかった.LC3-Ⅱの発現はHCCで有意に増強された(1.84倍,p<0.01)が,CCCでは変化を認めなかった(1.15倍,p=0.77).CCCではHCCと比較しsorafenibによるSTAT3のリン酸化抑制効果が有意に少なかった(p<0.01) .
【考察】細胞生存に作用するautophagyは,HCCではsorafenibの増殖抑制効果に拮抗するため, autophagyを抑制するとsorafenibの効果が大きくなる.一方,CCCではsorafenibに対してautophagyが亢進しておらず,autophagyを抑制する機構の存在が推測された.HCCでのSTAT3リン酸化抑制に対しCCCではその抑制が小さく,sorafenibの細胞増殖抑制がCCCで弱くなる原因の一つとして考えられた.autophagyとSTAT3の関連性について検討を進めている.

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:分子標的治療

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