演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

遺伝子変異を考慮し分子標的薬による三次治療で長期生存が得られている小腸GISTの1例

演題番号 : P130-8

[筆頭演者]
藪崎 裕:1 
[共同演者]
中川 悟:1、松木 淳:1、會澤 雅樹:1、番場 竹生:1、小山 勇:2、岡田 克也:2

1:新潟県立がんセンター新潟病院消化器外科、2:埼玉医科大学国際医療センター肝胆膵外科

 

今回、2回の手術と分子標的薬3剤を遺伝子変異に基づいて使用し、長期生存が得られている症例を経験したので報告する。
60代男性。長径130mmの小腸GISTに対し、前医で2008年04月に腫瘤摘出、小腸部分切除、膀胱壁部分切除術施行。核分裂像は1~2/50HPF、遺伝子検索ではKIT exon11に変異を認めたがPDGFRAには変異を認めなかった。術後イマチニブ内服開始するも全身に皮疹出現したため、ステロイドと抗ヒスタミン剤併用で400mg→300mg→200mgに減量、6ヵ月間継続した。転居に伴い11月当科紹介初診。本人の希望もあり、補助療法なしで経過観察となる。
2010年01月のCTで下腹部から骨盤腔内に多数の大小腫瘤と腹水が出現。イマチニブ200mg/日で再開するも有害事象のため中止となる。02月スニチニブ(37.5 mg/日)に変更。頭痛、発熱、感冒様症状のため2週投与2週休薬で2コース施行。04月FDG-PETで多発腫瘍は縮小傾向を示した。以降、27コースまで施行。
2012年05月のCTで多発腫瘍は増大。スニチニブを常用量(50 mg/日)に変更するも、全身倦怠感と関節痛出現。抗ヒスタミン剤、ステロイド軟膏併用にてイマチニブ400 mg/日を再投与した。2013年09月のCTで腫瘍径の増大は認めなかった。
2014年01のCTで左傍結腸溝尾側域と肝右葉表面の播種巣が増大。イマチニブに対する局所耐性と考え、03月に両腫瘤摘出術を施行した。開腹所見にて播種結節を多数認めた。腫瘍径は90mm、核分裂像は100以上/50HPF、遺伝子検索ではKIT exon11, 17に変異を認めたがPDGFRAには変異を認めなかった。04月からイマチニブ400 mg/日で再開。09月のCTで腹水増加と肝右葉表面播種巣は増大。10月からレゴラフェニブ 120 mg/日 3週投与1週休薬で開始し、保湿剤、ステロイド軟膏、カルシウム拮抗薬、βブロッカーを併用した。11月のCTで腹水著減、肝右葉表面播種巣と腹膜結節は残存するも増大なし。2015年02月のCTで腹膜播種結節は不変、新病変出現なし。手掌表皮剥離のため同日よりレゴラフェニブ 80 mg/日 3週投与1週休薬に変更、継続中である。遺伝子変異からみた分子標的薬の奏功性には特徴があり、スニチニブはexon11, 13, 14、レゴラフェニブはexon17変異例に対する有効性が報告されているが、本症例も同様の効果を認めた。局所耐性病変に対する外科治療、イマチニブ再投与を含む分子標的薬3剤の逐次併用療法で長期生存が得られている。

キーワード

臓器別:GIST(消化管間質腫瘍)

手法別:集学的治療

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