演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

切除不能進行大腸癌のサルベージライン治療におけるTAS-102: 保険収載後1年の使用経験

演題番号 : P122-9

[筆頭演者]
田中 彰:1 
[共同演者]
貞廣 荘太郎:1、鈴木 俊之:1、岡田 和丈:1、齋藤 剛太:1、中郡 聡夫:1、小澤 壯治:1、安田 聖栄:1

1:東海大学医学部外科学系消化器外科

 

背景: 新規経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤TAS-102は、既存の薬剤と全く異なる薬理作用として、トリフルリジンがチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、腫瘍にDNA機能障害を引き起こすと考えられている。臨床第Ⅱ相試験の結果を受けて、世界で初めて日本で製造販売承認された。保険適用後約1年における使用経験を報告する。
方法と対象: 標準化学療法後に病勢進行した切除不能転移再発大腸癌患者18例(44-75歳、ECOG PS 0-2)を対象とした。トリフルリジンとして35 mg/m2を1日2回、5日間経口投与したのち2日間休薬、2回繰り返したのち14日間休薬、これを1コース(4週間)として投与を繰り返した。2コースまでは全例1・15・22日目に採血を行い、患者の状態により適宜減量した。
結果: PS 0: 44% (8/18)、1: 44% (8/18)および2: 11% (2/18)であり、前治療または後治療でレゴラフェニブを投与された患者は44% (8/18)であった。TAS-102の投与期間中央値は14.0週(range 4.0-47.3)であった。投与延期または減量を必要とした患者は50.0% (9/18)であったが、相対用量強度は92.2% (interquartile range, IQR 72.7-100)と良好であった。グレード3以上の有害事象は、白血球減少22% (全グレード出現時期中央値4.0週[IQR 3.0-7.9])、好中球減少28% (8.0週[3.0-10.0])、貧血22% (4.0週[3.0-10.0])、血小板数減少6% (2.3週[2.0-3.0])、高AST血症17% (3.0週[1.3-4.8])、高ALT血症6% (4.5週[1.5-14.5])、高ビリルビン血症6% (7.0週[4.0-22.2])、高ALP血症6% (4.0週)、悪心6.0% (3.0週[2.0-4.6])、食欲不振6% (3.0週[2.0-10.0])であった。有害事象による投与中止はなかったが、同意取下げ6% (1/18)を認めた。全有害事象の発症中央値は3.0週(IQR 2.3-8.0)であり、一部に遅れた発症(貧血グレード2、21週; 悪心グレード1、13週)を認めたものの、有害事象の発症は治療開始から2コース以内に集中していた。治療効果では奏効率0%、病勢制御率75.0% (95% CI 50.0-88.9)、PFS 16.7週(10.4-23.0)、OS 22.9週であった。2コース以内の血中CEA最小値はベースラインに対して中央値1.3 (IQR 1.1-1.7)であり、ほとんどCEA低下を得られなかった。
結論: 大腸癌のサルベージライン治療におけるTAS-102の有用性が確認された。主な有害事象は2コース以内に現れる血液毒性であったが、これらを理由とする中止例はなく、レゴラフェニブに比べて用量強度を保ったまま長期投与が可能だった。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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