演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

TAS-102を投与した治癒切除不能進行・再発の大腸癌症例の有効性と安全性の検討

演題番号 : P122-5

[筆頭演者]
王 暁斐:1 
[共同演者]
南金山 理乃:2、辻本 彰子:2、新井 裕之:2、北川 善康:3、喜多 絵美里:2、鈴木 拓人:3、須藤 研太郎:2、中村 和貴:2、三梨 桂子:4、廣中 秀一:4、原 太郎:3、辻村 秀樹:1、傳田 忠道:2、山口 武人:2

1:千葉県がんセンター腫瘍血液内科、2:千葉県がんセンター消化器内科、3:千葉県がんセンター内視鏡科、4:千葉県がんセンター臨床試験推進部

 

【背景】TAS-102は日本が世界に先駆け進行大腸癌の治療薬として使用されている。その後国際共同第Ⅲ相試験で全生存期間の延長効果を認めたため米国・欧州でも承認申請が提出された。
【目的】当院で標準化学療法が無効な治癒切除不能な進行・再発の大腸癌に対してTAS-102を投与した治療成績を後方視的に検討し報告する。
【方法】TAS-102を投与した治癒切除不能な進行・再発大腸癌症例のデータを診療録から抽出し治療効果と有害事象を評価した。
【結果】対象は2012年7月から2015年4月までフッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカンおよびオキサリプラチンに不応又は不耐となった進行・再発大腸癌でTAS-102を投与した27例である。年齢中央値67(48-82)歳、男性12例、女性15例。肺転移18例(67%)、肝転移15例(56%)であった。前治療は、フッ化ピリミジン系薬剤27例(100%)、イリノテカン27例(100%)、オキサリプラチン(100%)、ベバシズマブ26例(96%)、セツキシマブ8例(30%)、バニツムマブ5例(19%)、レゴラフェニブ4例(15%)であった。治療効果はCR 0%、PR 0%、SD 4例(15%)、PD 23例(85%)、奏効率 0%、無増悪生存期間(PFS)は中央値74日(26-217)、全生存期間(OS)は中央値178日(27-698)であった。KARS遺伝子野生型ではPFS 78日(21-217)、OS 198日(37-698)であった。KARS遺伝子変異型ではPFS 73日(31-103)、OS 145日(72-240)であった。Grade3以上の有害事象は、好中球減少10例(37%)、血小板減少1例(4%)、貧血1例(4%)、発熱性好中球減少6例(22%)、肝機能障害1例(4%)、食欲低下2例(7%)、下痢2例(7%)であった。治療関連死は認めなかった。
【考察】CR/PR症例はなく、OSは6か月と第Ⅲ相試験より短かったが長期生存例を認めた。有害事象は血液毒性、特に好中球減少に注意する必要がある。非血液毒性は非常に軽度であった。
【結語】TAS-102は非血液毒性が軽度であるため、標準治療が無効になった比較的全身状態が悪い症例でも好中球減少に注意すれば忍容性が高い薬剤であった。さらに治療効果を高めるためには血液毒性が弱い薬剤との併用の可能性が考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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