演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

がん疼痛に対するタペンタドールの有効性と安全性の検討

演題番号 : P107-8

[筆頭演者]
木原 歩美:1 
[共同演者]
角 裕子:1、市原 香織:1、山際 岳朗:1、恒藤 暁:1

1:京都大学医学部附属病院緩和ケアセンター

 

【目的】タペンタドールはオピオイドμ受容体作動作用とノルアドレナリン再取り込み阻害作用のある新しいオピオイドであり、わが国では2014年8月から上市されている。モルヒネやオキシコドンと比較して、タペンタドールの鎮痛効果は非劣性、便秘や悪心の消化器系副作用は少ないと報告されている。今回、入院中にがん疼痛があり、タペンタドールを投与した患者を検討した。
【方法】入院中に緩和ケアチームに依頼があり、がん疼痛のためタペンタドールを投与した全患者を対象として前向きに検討した。
【結果】2015年2月16日から4月15日の期間に緩和ケアチームに依頼があった患者は87例であった。このうちがん疼痛のためタペンタドールを投与した患者は男性3例、女性6例、計9例であった。年齢(中央値)は59(41~72)歳、原疾患は膵癌2例、腎癌2例、乳癌1例、前立腺癌1例、子宮頸癌1例、卵巣癌1例、悪性リンパ腫1例であった。がん疼痛の原因は、神経圧迫・浸潤3例、内臓浸潤3例、軟部組織浸潤2例、骨転移1例であった。オピオイド切り替え6例(オキシコドン2例、モルヒネ1例、フェンタニル1例、メサドン1例、トラマドール1例)、オピオイド併用2例(フェンタニル)、オピオイドの未使用1例であった。タペンタドールの開始量(中央値)は200(50~300)mg/日、維持量(中央値)は200(100~600)mg/日、投与期間(中央値)は21(3~58)日であった。鎮痛効果は著効4例、有効3例、やや有効2例、無効0例であった。がん疼痛の原因が神経圧迫・浸潤であった3例において痛みの軽減がみられた。副作用は悪心(軽度)1例、眠気(軽度)1例、口渇(軽度)1例、せん妄1例であった。悪心はハロペリドール投与で消失し、せん妄はリスペリドンを投与し軽減した。眠気および口渇はいずれも軽度であったため経過観察とした。副作用のためにタペンタドールを中止した患者はいなかった。
【結論】タペンタドールの鎮痛効果はがん疼痛患者9例中7例にみられた。副作用は8例中4例にみられたが、いずれも軽度であり、副作用対策を行うことで継続投与することできた。また、タペンタドールは神経障害性疼痛に鎮痛効果がみられることが示唆された。今後、症例を集積して検討する予定である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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