演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

フェンタニル舌下錠の使用経験と理解向上への検討

演題番号 : P107-5

[筆頭演者]
齋藤 麻衣子:1 
[共同演者]
小林 由夏:2、小林 祥子:1、下條 寛明:1、荒井 秀和:1、高橋 郁代:3、須藤 晴美:1

1:医療法人立川メディカルセンター立川綜合病院薬剤部、2:医療法人立川メディカルセンター立川綜合病院消化器センター、3:医療法人立川メディカルセンター立川綜合病院外来化学療法室

 

【目的・背景】
フェンタニル舌下錠はがん性疼痛における突出痛の緩和に重要であるが、これまでの薬剤とは異なる服用間隔・方法を持つため使用にあたり理解を得ることが難しい。自宅での自己管理への移行や入院中に管理や与薬を行う看護師の理解不足による誤投与に対し薬剤師のさらなる介入が必要と考えられ、その方法を検討する。

【症例1】
67歳、男性、大腸癌(術後)、腹膜転移、元々自宅での薬剤管理に不安がある旨が訪問看護師より報告されていた。外来での疼痛コントロール不良にて入院、フェンタニル貼付剤と舌下錠の新規導入に向け、本人と妻へ患者向け冊子を用い、さらに舌下錠は製剤見本を試用し説明を行った。薬剤の理解は不十分であったが、看護師の介助にて使用可能と判断し両剤を開始した。疼痛管理日誌への記入と頻回な薬剤指導で理解の向上はみられたが、退院後の自己管理への不安も聞かれた。時間軸を手書きした表や自宅での使用を想定したフローチャートを作成し不安の軽減を図り、訪問看護師へも説明を行いすぐに相談にのれる体制を整えた。通院中の現在も日誌の確認や声かけを行い不安の解消に努めている。
【症例2】
60歳、男性、横行結腸癌(術後)、肝・リンパ節転移、塩酸モルヒネの持続静注を行っていたが在宅を希望しフェンタニル貼付剤と舌下錠を導入した。変更後、看護師の理解不足と思われる追加投与での誤投与があった。最終的にフェンタニル舌下錠での疼痛コントロールは困難でオキシコドン散へ変更し退院となった。

【考察】
患者向け冊子は実際の使用に関する記載が分りにくく、特に自身で薬剤管理を行う高齢者にとって追加投与や服用間隔について理解することが難しい。症例1では手書きの図などを用いてシミュレーションを行うことで徐々に理解を得ることができたが、薬剤師の説明も統一されていないため分りやすい共通の説明ツールの作成が必要と考えられた。また、外来投薬時に1回量が増量となった際、1錠では効果が足りず2錠では少し眠気があるとの話があり同一規格しか使用できない点の難しさを感じた。当院では看護師向けに投与間隔を確認できるツールを作成し説明会も行っていたが、症例2においてその理解にばらつきがあると考えられ、今まで以上の介入が必要である。

【結語】
「分りやすい説明とは何なのか」を検討し簡便な説明ツールの作成を行った。今後使用し、更なる検討を行っていきたい。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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