演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

適切な鎮痛効果が得られない患者に他のオピオイドを追加することは痛みを緩和するか

演題番号 : P107-1

[筆頭演者]
土井 千春:1 

1:社会福祉法人恩賜財団済生会横浜市南部病院緩和医療科

 

【背景】がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年版では、他のオピオイド追加に関しては2C(弱い推奨、とても低いエビデンスレベル)としている。【目的】実際に2種類のオピオイドの併用を行った患者に関して、その経過と転帰について検討し、その特徴を考察する。【症例】併用を行った患者は3例。原疾患、症状の原因は①多発性骨髄腫による腰椎圧迫骨折、②乳がん骨髄癌症による多発骨折、③胃がん腹膜播種再発。【経過】いずれもオキシコドン内服でオピオイドを導入した。①は便秘のためフェンタニル貼付剤に変更、②は眠気のためフェンタニル貼付剤に変更、③は腸閉塞のためオキシコドン持続静注を開始した。①はフェンタニル貼付剤増量で対応できていたが下肢の神経障害性疼痛を含めた急速な疼痛増強が起き、オキシコドン持続皮下注を併用。疼痛コントロールができた際にフェンタニル貼付剤への統合を試みたが、換算通りのスイッチングができず、最終的にオキシコドン徐放剤を併用した。②は肋骨多発骨折のため呼吸困難を併発、オキシコドン持続皮下注を併用開始。疼痛、呼吸困難ともに改善したため、注射剤をオキシコドン徐放錠に変更。③はフェンタニル貼付剤に全て置き換えると疼痛コントロールがやや悪化するが、眠気と腸閉塞のリスクが高いため疼痛悪化時のみオキファスト持続静注を併用。最終的な投与量は①フェンタニル貼付剤8mg+オキシコドン徐放錠60mg、②フェンタニル貼付剤5mg+オキシコドン徐放錠40mg、③フェンタニル貼付剤12mg+オキシコドン注射剤24mg。【考察】オピオイドの追加に関しては、既存のガイドラインでオピオイドの併用についての記載はない。副作用コントロールに難渋しても、神経障害性疼痛や呼吸困難ではオキシコドンが奏功する場合がある。しかし、便秘や眠気といった副作用が原因でフェンタニルを使用し、ある程度は増量で成功していた場合、症状コントロール不良を理由に全てオキシコドンに変更すべきかどうかは検討の余地があると思われる。また、少量の他オピオイドの併用で症状コントロールが改善し、副作用が軽減できるのであれば患者にとってのメリットは大きいと考える。この場合、キードラッグはオキシコドンと思われ、症状コントロールが得られ、副作用が生じない最小量のオキシコドンを併用してバランスを取ることが重要と考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

前へ戻る