演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

悪性骨軟部腫瘍に対する重粒子線治療の挑戦

演題番号 : OS18-6

[筆頭演者]
今井 礼子:1 
[共同演者]
鎌田 正:1、清原 浩樹:2、岡本 雅彦:2、岡野 奈緒子:2、大野 達也:2

1:独立行政法人放射線医学総合研究重粒子医科学センター病院、2:群馬大学重粒子線医学研究センター

 

放射線医学総合研究所では1996年6月から骨軟部肉腫に対する重粒子線治療を開始し2015年2月までに治療患者数は1000名を超えた。治療は全てプロトコールに基づいて行われており、1996年に開始されたphase I/II線量増加試験、2000年から開始されたphase II線量固定試験を経て2003年高度先進医療に移行した。現在は、先の2つのプロトコールの延長というべき9901(II)の他、短期照射法や重粒子線治療後の再発例、X線治療後の再発例等のプロトコールが運用されている。転移のない切除非適応症例9901(II)プロトコールの成績は症例全体(617例)で5年局所制御率68%、5年生存率59%であった。
重粒子線(炭素イオン線)の利点は線量分布にすぐれていることである。IMRTと炭素イオン線治療の線量分布図を提示し比較する予定である。さらに、線量分布の向上、特にターゲット以外への線量を低下させる目的で、放医研では2010年から従来の照射法とは異なるスキャニング照射法による治療が開始された。従来の治療はターゲットを立体の枠で照射するイメージであるが、スキャニング照射法はターゲットをペイントするイメージである。この新しい治療法についても言及したい。そのほか、新しい治療法の模索として、現在は、術前照射や術後照射としての重粒子線治療は行ってはいないが、手術と重粒子線治療の組み合わせの可能性について考察する。化学療法同時併用重粒子線治療は行っていないが、骨肉腫での検討では、化学療法がSD以上に有効だった症例の生存率が高かったため、全身療法との組み合わせの可能性についても、過去の文献等を踏まえながら、考察したい。

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