演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

骨肉腫に対する新規治療戦略 -画像評価と手術療法-

演題番号 : OS18-4

[筆頭演者]
山本 憲男:1 
[共同演者]
土屋 弘行:1

1:金沢大学大学院医学系研究科整形外科

 

骨肉腫に対しては、1970年代以前には緊急患肢切断術が行われていたが、化学療法の導入によりその治療成績は大きく改善し、近年では骨肉腫に対する患肢温存術は、標準的な手術方法となっている。そして20年ほど前には、手術時の切除縁として、コンパートメントなども勘案し腫瘍より5㎝以上離した、広範切除術が行われることが一般的であったが、近年の治療成績の向上から、化学療法が著効したと考えられる症例では、切除縁を縮小し患肢機能をより温存した手術も試みられるようになっている。化学療法の効果判定には、レントゲン、CT、MRI、各種核医学検査などが用いられるが、時に各画像検査において相反する化学療法効果判定の結果が得られることがあり、その判断に難渋する場合がある。そこで我々は、画像評価をより総合的に行うために、それぞれの画像検査の結果を点数化し、総合的な画像評価と病理学的評価の相関について検討を行うことで、Combined Radiological Scoring Systemを確立した。これにより、各画像評価単独よりも良好な感度、特異度、正確度で、化学療法の効果判定を行うことが可能となった。また一般的な腫瘍切除後の再建材料として、腫瘍用人工関節が用いられるが、本再建は早期からの患肢機能回復には有用な方法であるが、人工物であり体内での生理的な修復は生じないため、長期的には人工材料自体の耐久性が問題となり、人工関節の緩みや破損のため再置換術を余儀なくされることも少なくない。そのため特に活動性が高い若年者などでは、術後の日常活動性(運動など)が制限されることが一般的である。やはり骨肉腫における生命予後の改善を考えれば、より生物的で恒久的な再建方法が望まれる。同種骨が入手困難な本邦では、これまで各種処理後に患者自身の罹患骨を再建に利用することが試みられてきた。我々は、従来の処理法と同等以上の骨伝導能や骨誘導能を期待できる液体窒素処理法を考案し、骨肉腫切除後の再建材料として液体窒素処理自家腫瘍骨を用いた再建術を施行している。骨肉腫は骨幹端部に好発するため、腫瘍用人工関節を用いた再建法では、正常な関節面まで犠牲にして腫瘍切除術を施行せざるを得ない症例も多かったが、本再建材料を用いれば、関節近傍の病変でも関節面を温存した手術が可能であり、より良好な術後患肢機能の獲得が可能となっている。

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