演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

Stage II/III胃癌根治切除後のリスク層別化マーカー検索と臨床応用

演題番号 : OS17-6

[筆頭演者]
大島 貴:1 
[共同演者]
木村 弥生:2、中居 祐介:2、坂巻 顕太郎:3、宮城 洋平:4、山中 正二:5、長 晴彦:6、塩澤 学:6、吉川 貴己:6、利野 靖:1、安井 弥:7、今田 敏夫:8、益田 宗孝:1

1:横浜市立大学医学部外科治療学、2:横浜市立大学先端医科学研究センター、3:横浜市立大学大学院医学統計学、4:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター臨床研究所、5:横浜市立大学医学部病理学、6:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター消化器外科、7:広島大学大学院医歯薬学総合研究科分子病理学、8:社会福祉法人恩賜財団済生会横浜市南部病院

 

【目的】Stage II/III胃癌の標準治療は根治切除後の補助化学療法であるが、biomarkerによる個別化治療によりさらなる治療成績の改善が期待される。われわれは、胃癌の凍結検体を用い遺伝子およびタンパク質レベルで、Stage II/III胃癌根治切除後の再発リスク層別化マーカー検索を行って来た。これまでの成果を報告する。
【方法】術後5年以上経過したStage II/III胃癌根治切除255症例のうち、コホートの異なる145例をtraining set、110例をvalidation setとし、各胃癌組織からmRNAを抽出し、定量PCR法を用いて、DNA microarrayを用いた網羅的検索、SAGE libraryなどから選択した計127遺伝子の相対的発現量を測定し、training setにて独立した予後不良因子となった遺伝子をvalidation setで検証した。また、T4a Nx M0、StageIII胃癌で根治切除後にS-1の補助化学療法を施行した症例において、5年以上無再発・生存した症例(無再発症例群)12例と、3年未満で再発・死亡した症例(再発症例群)12例を対象とし、各胃癌組織からタンパク質を抽出して液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS/MS)を用いた探索的プロテオミクス解析を行い、無再発症例群と再発症例群間で、max fold change>2かつ Anova (P)<0.001 で発現に有意差を認めるタンパク質を探索した。
【結果】定量PCR法では、training setにおいて38遺伝子が独立した予後不良因子として選択された。これをvalidation setで検証すると、13遺伝子が再発リスク層別化マーカーの候補(P<0.2)として選択され、これらのうち5遺伝子において再現性(P<0.05)が認められた。LC-MS/MSを用いた探索的プロテオミクス解析では、1756種類のタンパク質が同定され、うち4種類のタンパク質が再発リスク層別化マーカーの候補として同定された。
【結論】Stage II/III胃癌根治切除後の再発リスク層別化マーカーの候補を遺伝子およびタンパク質レベルで同定した。現在、これらの候補について、2つのハイボリュームセンターの約1000症例を対象とし、tissue micro arrayを用いた解析を行っており、これらのマーカーを組み合わせた再発リスク層別化の臨床応用を目指している。

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