演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

卵巣がんのBRCAnessと分子標的薬PARP阻害剤への期待

演題番号 : OS10-2

[筆頭演者]
勝俣 範之:1 

1:日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科

 

PARP阻害剤は、DNA損傷を修復する遺伝子、PARPの機能を阻害する。PARPを阻害することにより、BRCA1/2遺伝子が機能せず相同組み換え修復が欠損したがん細胞では、DNA修復が行われなくなり、細胞死が誘導される。これに対し、正常細胞では相同組み換え修復によりDNAが修復され、細胞の生存が維持される。
PARP阻害剤でもっとも開発が進んでいるのは、オラパリブである。ランダム化第2相試験では、プラチナ感受性再発の漿液性卵巣がん患者265人に対して、オラパリブの維持療法を検証した。主要評価項目の無増悪生存期間は、オラパリブ群8.4カ月、プラセボ群4.8カ月であり、オラパリブ群で有意に延長した(増悪または死亡のHR 0.35、p<0.001)。BRCA変異の有無でのサブグループ解析の結果が報告され、BRCA変異ありではPFS 11.2カ月、変異なしでは 4.1 カ月と有意差を認めた(HR 0.17、P<0.001)。OSの中間解析では、オラパリブ群29.8カ月対プラセボ群27.8カ月であった(HR 0.88)。この結果をうけてBRCA変異陽性の卵巣がん患者を対象にオラパリブの維持療法を検証する2つの第3相試験が行われている。SOLO1 (GOG3004)の対象はBRCA陽性の初発の卵巣がんであり(NCT01844986)、SOLO2(ENGOT-Ov21)BRCA陽性のプラチナ感受性再発卵巣がんである(NCT01874353)。結果が期待される。
現在、その他のPARP阻害剤として、Veliparib、Iniparib、Niraparibなどの開発が進められており、期待がなされる。

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