演題抄録

基調講演

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

学校教育におけるがん教育が何故議論されるのか?

演題番号 : KL37

[筆頭演者]
衞藤 隆:1 

1:東京大学名誉教授/大阪教育大学客員教授

 

はじめに
◯◯教育という形の議論はこれまでにも度々なされて来た。情報教育、国際理解教育、エイズ教育等々。それらは現代社会で生きる上で必要とされる知識について国民が理解を深める必要性が高まったと認識される中で、学校教育における知識・理解の普及を論ずる文脈で語られることが多い。その内容が健康問題にかかわる場合、「現状の『保健』で取り上げられていないか取り上げ方が乏しい」という指摘から始まり、「内容を充実すべきである」という結論が導かれることが多い。
わが国の主要死因として非感染性疾患が上位に浮上し、特に悪性新生物が相対的に上位になっている現実の中で、がんに対する基礎知識を国民がもち、自らあるいは家族の悪性新生物罹患への対処、さらには予防につながる生活行動への理解を促進することについては、主として医療関係者から問題提起される形で話題にされて来た。がんについて国民の基礎的教養(ヘルスリテラシーの観点で)としての知識普及が提唱されている。政府レベルの動きとしては、がん対策基本法(平成18年法律第98号)に基づく「がん対策推進基本計画」(平成24年6月)として、健康教育全体の中で「がん」教育をどのようにするべきかの検討とそれに基づく教育活動の実施が目標として掲げられた。
以上のような背景の中、平成25年度に、文部科学省補助金により公益財団法人日本学校保健会に「がん教育に関する検討委員会」が設置され検討が行われ、それを踏まえ、平成26年度から文部科学省に「『がん教育』の在り方に関する検討会」が発足し、3年度かけて検討することとなった。
本講演では以上の背景を学校教育の現状を踏まえつつ、解説し、今後の動向を考える機会としたい。
1.学校教育においてがん教育を取り上げることが論じられることになった背景
2.公益財団法人日本学校保健会に「がん教育に関する検討委員会」(平成25年度、文部科学省補助金)
3.文部科学省「がん教育」の在り方に関する検討会(平成26年度)
4.がん教育の実施に向けた今後の動向

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