演題抄録

基調講演

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

がん患者の意思決定をサポートする看護

演題番号 : KL18

[筆頭演者]
田村 恵子:1 

1:京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻

 

がん医療のめざましい発展に伴い、患者の生命予後は延長され、がんサバイバーとして病と共に生きる人々が増加している。このため、これまで以上にがんサバイバーの意向にそったがん医療をどう実現するかが、医療の重要な課題となっている。この課題を達成するには、患者が複数ある治療の選択肢からその病期に応じた治療を選択できること、また、継続する治療経過の中で、自己の病の軌跡を描きつつ今後の療養場所を選択できること等、患者の価値や意向に基づく意思決定のサポートが必須である。
従来、意思決定の基盤はインフォームド・コンセントに基づく患者の自己決定であったが、急激に変化するがん医療の現状を踏まえて、患者が病気の状態、治療の選択肢と選択肢のベネフィットとリスク、選択に伴う生活への影響、自己の価値観を理解したうえで治療を選択するShared Decision Making(以下、SDM)へと変化しつつある(Snyder,2012)。
SDMにおける看護の役割には、患者自身が何を大切にしたいと思っているかを明らかにするために、患者の気持ちのつらさや不安、恐れなどの感情を十分に表現することができるように、患者の語りに耳を傾けること、また揺れ動く気持ちに寄り添い続けることがある。同時に、患者自身の意向にそった決定を行うために、その患者にとって必要な情報を提供する役割を担っている。さらに、必要に応じて、患者の情報ニーズや気がかりを把握し、代弁者として医師や他の医療スタッフに伝える役割を担うこともある。
本講演では、がん患者が自己の価値観を大切にしつつも、医療の進展に伴う恩恵を十分に受けることができるように、また、がんサバイバーとして自分らしく生きることができるように、意思決定をサポートする看護について、皆様と共に探究したい。

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