演題抄録

教育シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

我が国のがん対策について~がんの予防・早期発見を中心に~

演題番号 : ES6-1

[筆頭演者]
益池 靖典:1 

1:厚生労働省健康局がん対策・健康増進課

 

国のがん対策は、平成18年6月に成立した「がん対策基本法」に基づいて実施されている。がん対策基本法の下での対策の方向性を示す、「がん対策推進基本計画」は、平成19年6月に閣議決定され、平成24年6月に改定された。基本計画では、「がんによる死亡者の減少」、「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」という3つの全体目標を掲げており、国はその達成に向けて、総合的かつ計画的に取り組んでいるところである。
基本計画に基づいて、がんの予防については、平成34年までに成人喫煙率を12%にすること等を目標として掲げて、たばこ対策や感染に起因するがんへの対策等を推進しており、がんの早期発見については、平成29年6月までにがん検診の受診率を50%(胃、肺、大腸は当面40%)とすること等を目標として掲げて、受診勧奨・再勧奨等を推進しているところである。
さらに、がん研究については、平成26年3月に文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣の三大臣が策定した「がん研究10か年戦略」に基づいて、がんの根治、がんの予防、がんとの共生を念頭において、患者・社会と協働したがん研究を関係省庁が連携して一体的に推進することとしている。がんの予防法や早期発見手法に関する研究については、個人の発がんリスクの同定と層別化・個別化をめざした研究、個人の発がんリスクに応じたリスク低減手法の開発研究、検診への導入をめざした診断技術の開発研究、新たな予防・検診手法の実用化をめざした大規模疫学研究等を推進しており、平成27年4月からは新たに設立された国立研究開発法人日本医療研究開発機構を活用し、プログラムディレクター・プログラムオフィサーによる管理支援体制を整備して、がん研究を含めた医療分野の研究開発をより一層推進しているところである。
今回は、がん対策推進基本計画及びがん研究10か年戦略により示されたわが国のがん対策及びがん研究の目指すべき方向性について言及したい。

前へ戻る