演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

がん診療連携拠点病院の配置の問題点

演題番号 : S6-2

[筆頭演者]
堀田 知光:1 

1:独立行政法人国立がん研究センター

 

全国どこでも質の高いがん医療を受けること(均てん化)を目指して、がん診療拠点病院(以下「拠点病院」)の整備が進められ、現在397施設が指定されている。しかし、拠点病院間の診療の格差や支援情報の不足などが指摘されてきており、高齢化社会や患者の多様化するニーズを踏まえた医療提供体制への対応が求められてきた。厚生労働省は「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」報告書の提言を踏まえて、平成25年1月に新たな拠点病院等の整備指針を発出した。基本的な考え方は、拠点病院間の格差解消に向けて専門医療従事者の人員配置や診療実績要件を強化し一定の集約化を図るとともに、空白の2次医療圏を解消するための「地域がん診療病院」、特定のがん腫に対して高度な診療実績をもつ拠点病院の新設などを打ち出した。これまでのがん対策は、拠点病院における5大がんを中心とする手術療法、化学療法、放射線療法の標準治療の普及と相談支援および緩和ケアの提供体制の確保に重きが置かれどちらかと言えば外形的な目標で行われてきたが、今後は診療の質の向上への転換が必要である。また、拠点病院が点として機能するのではなく、地域の医療機関、在宅医療・介護施設との連携による地域完結型の面としてのがん医療を構築することが求められている。一方で、有効な治療法が確立していない希少がん、難治がんや特別の対応が必要な小児がんなどに対して最適な医療の確立と提供をするためには集約化が必要である。小児がんについてはすでに集約化の方向にあり、ブロックごとに15拠点病院と司令塔機能を果たす中央機関が指定されている。今後は希少がんや難治がんについてもネットワークの形成と一定の集約化が不可欠である。また、特殊治療や大型診療機器などについては医療資源の有効活用の視点から国レベルでの選択と集中による戦略的な配置が望まれる。

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