演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

SNPによる前立腺癌のリスク予測と前立腺癌検診の個別化

演題番号 : S3-1

[筆頭演者]
中川 英刀:1 
[共同演者]
高橋 篤:1、久保 充明:1、赤松 秀輔:2、高田 亮:3、羽渕 友則:4、藤岡 知昭:3、小川 修:2

1:理化学研究所 統合生命医科学研究センター、2:京都大学医学部泌尿器科、3:岩手医科大学医学部泌尿器科、4:秋田大学医学部泌尿器科

 

GWAS (Genome-Wide Association Study)によって、全ゲノム上で100個もの前立腺癌の発症と関連する遺伝子多型(common SNP)が同定されてきており、前立腺癌の発症には遺伝的素因の寄与が大きく、"common SNPの病気"としての側面を有している。我々は、BBJプロジェクトにて前立腺癌のGWASを行い、日本人の前立腺癌と関連するゲノムマーカーを多数同定してきた(Nature Genetics 2010, Nature Genetics 2012)。しかし、1つ1つのSNPの前立腺癌リスクに寄与する割合は低く(1.1-1.5倍)、単独では診断としての価値が低い。そこで日本人前立腺癌の発症と強く関連する16個のSNPを組み合わせて、日本人の前立腺癌リスク評価モデルを構築し、合計13,000人の日本人/日系人の解析にて、その精度と再現性を確認した。前立腺癌検診としてPSA検査が広く行われているが、その精度、予後への寄与、医療経済的な意義において、PSA検査の是非が世界中で議論されている。特にPSA値が10未満のグレーゾーンに関しては、臨床の場で方針について迷うことが多々見られる。このゲノム情報に基づく前立腺癌のリスク評価モデルをPSAグレーゾーンに適応することによって、侵襲的な前立腺針生検の是非を決定できる可能性がある。ゲノム情報を用いた個別化により、今後高齢化にともない日本で急増するPSA検査による前立腺癌検診をより効率的に運用できるものと期待される。

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