演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵胆道癌におけるInterventional Endoscopyの新展開

演題番号 : S2-3

[筆頭演者]
糸井 隆夫:1 

1:東京医科大学消化器内科

 

近年,膵胆道癌に対する治療内視鏡は飛躍的な進歩を遂げている.そのアプローチルートは従来行われてきた内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を用いた経十二指腸乳頭的(経乳頭的)の他に近年,超音波内視鏡(EUS)を用いた手技が登場しており,両者の治療内視鏡をあわせてInterventional Endoscopyとも呼ばれている.本セミナーではERCP関連では術前胆管ステンティングについて,EUS関連では切除不能膵胆道癌におけるInterventional EUSの最先端を動画を交えて解説する.
I. ERCPによる術前胆管ドレナージ
従来,肝切除を伴わない膵頭十二指腸切除術(PD)予定の膵頭部癌患者の術前胆管ドレナージには抜去可能で手術時にも邪魔にならないプラスチックステント(PS)が好んで用いられていた.しかし実際の臨床では7F-10Fという大口径でないPSでは手術日までの期間が長い場合に比較的高頻度で胆管炎を起こし,それが術後の膵液瘻等の合併症のリスクファクターとなるとの報告も散見されており,NEJMにもドレナージをせずに直接手術した方が術後合併症も少ないというRCTも報告されている.一方,近年Bridge to surgeryといった観点から胆管炎をなるべく起こさないための術前胆管メタルステント留置が行われている.
II. EUSを用いた治療
1. 胆道ドレナージ
予後の限られる膵胆道癌患者では,黄疸の回避を目的としたERCPによる胆管ステンティングはQOL, ADL改善の為に極めて有用である.近年,EUSを用いて経胃的,経十二指腸的に胆管や胆囊を直接穿刺してステントを留置するドレナージが行われている.特に膵頭部癌等による十二指腸狭窄で十二指腸ステントを要する場合にはEUSガイド下のステンティングとあわせてダブルステンティングが行われる場合もある.
2. 膵管ドレナージ
癌の進行に伴う膵管断裂や閉塞性膵炎は患者のQOLを極めて不良にする.こうした症例で経乳頭的ステンティングが困難な場合には,胆道ドレナージ同様に経胃的,経十二指腸的に膵管ステンティングが行われている。また,PD後の良悪性膵空腸吻合部狭窄例でもEUSガイド下に経胃的に膵管ステンティングで治療可能である.
3. 胃空腸吻合術
膵頭部癌等による悪性十二指腸狭窄では外科的胃空腸吻合術や十二指腸ステント留置が行われてきた.こうした悪性十二指腸狭窄に対してわれわれはEUSガイド下の胃空腸吻合術を開発した.これにより今後低侵襲な内視鏡的胃空腸吻合術が期待できる可能性がある.

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