演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

MUTYH関連ポリポーシス(MAP)を考慮した大腸ポリポーシス診療の要点

演題番号 : P97-2

[筆頭演者]
田村 和朗:1,2 
[共同演者]
金 相赫:1、伊田 和史:1、松山 裕美:1、矢野 綾:2、小林 正義:2、別府 直仁:2、濱中 美衣:2、山岸 大介:2、塚本 潔:2、山野 智基:2、野田 雅史:2、松原 長秀:2、池内 浩基:2、冨田 尚裕:2

1:近畿大学大学院総合理工学研究科理学専攻、2:兵庫医科大学外科学下部消化管外科

 

【緒言】大腸ポリポーシスはともすれば家族性大腸腺腫症(以下FAP)のみを意識した診療がなされてきた。FAPの自然史、大腸癌および、大腸外病変、外科的治療を主とする対処法、当事者のサーベイランス法などついて情報提供が行われ、現在ではその功が奏して罹患者の平均余命はわが国の平均寿命にほぼ近い状況となってきた。その中でat-riskにある家系員への対策はFAPがAPC遺伝子の生殖細胞系列変異によって生じる常染色体優性遺伝疾患であることから、単に-は50%リスクにあるとの説明がなされてきたように思われる。MUTYH関連ポリポーシス(MAP)はMUTYH遺伝子の両アレル変異に起因する劣性遺伝形式の大腸多発腺腫症あるいはポリポーシスである。劣性遺伝形式の場合、罹患者の子どもはヘテロ保因者であっても罹患しない場合がほとんどであり、FAPと同様の説明を行うことは身体的・身体的に不必要な負担を強いる可能性がある。ゲノム解析の進歩にともない、FAPとMAPを明確に差別化することは可能となり、今後は科学的基盤を基にした診療をすることを提案するとともに自験例を含めて報告する。
【方法】①大腸ポリポーシスあるいは多発性大腸腺腫と診断され、遺伝学的検査が施行された132家系の責任遺伝子と変異、用いられた遺伝学的検査法、患者の表現型等を再確認するとともに検査の限界と意義を検討した。②アルゴリズムを作成し、各カテゴリーで必要な遺伝情報を整理した。③診療あるいは遺伝カウンセリングに必要と考えられる項目を挙げ、診療フローと説明ツールを作製する。
【結果と考察】APC変異に起因するclassical FAPが100家系(75.8%)、MAPが6家系(4.5%)、合計106家系(80.3%)で責任遺伝子に基づき、FAPとMAPの自然史の相違、遺伝子型-表現型相関、個別のサーベイランス法などより正確な情報提供が可能で、加えて第一度近親者家系員に基づくきめ細かな情報提供を行うことが状況にいたった。説明はツールを利用し、病態生理、治療法のオプション、遺伝形式、浸透率、再発率、遺伝学的影響、遺伝学的検査に関する分析的妥当性、社会資源等多岐にわたり、専門外来設置が妥当でると考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:遺伝子診断

前へ戻る