演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

大腸癌化学療法における治療延期・中止率に関する調査

演題番号 : P90-7

[筆頭演者]
砂田 和幸:1 
[共同演者]
杉田 浩:2、新村 弥生:3、青山 由紀:3、岸本 真:1、佐久間 弘匡:1、三阪 高春:2

1:霧島市立医師会医療センター薬剤部、2:霧島市立医師会医療センター内科、3:霧島市立医師会医療センター看護部

 

【目的】当院の外来化学療法センターを利用する患者の約半数は大腸癌患者である.化学療法の準備は前日までに薬剤部で実施しているが,治療当日の患者状態,採血結果などにより延期・中止することがある.しかしその延期・中止した際の背景に関しては当院において全く把握していなかった.今回予定化学療法の延期・中止の背景を調査し,今後の診療に活用することを目的とした.
【方法】2010年4月から2013年12月の間に注射用抗がん剤を含むレジメンを受けた大腸癌患者を対象とした.各レジメンにおける治療ライン,治療の延期率とその理由,レジメンの中止率とその理由を電子カルテより調査した.
【結果】総予定治療件数1,850件を対象とした.全体の治療延期率は23.4%であり,延期理由として好中球減少39.8%,本人希望15.0%,血小板減少6.0%,感染6.0%であった.延期率の最も多いレジメンはFOLFIRIの39.4%であった.L-OHP を含むレジメンでは延期理由として好中球減少が49.5%と最も多く,CPT-11 を含むレジメンにおいても同様に好中球減少が32.2%で最も多かった.治療ラインでは術後補助化学療法の延期率が30.8%と最も多く,進行再発治療においては1st line 20.9%,2nd 25.2%,3rd 20.5%,4th-7th 19.8%と大きな差は認めなかった.1st line治療では延期理由として好中球減少が42.8%を占めていたが,4th line以降では本人希望や下痢,倦怠感,皮疹などの症状による延期が目立った.中止率はL-OHPを含むレジメンではPD28.8%,末梢神経障害16.3%,手術10.0%,L-OHPアレルギー8.8%であり,CPT-11を含むレジメンではPD 58.8%,本人希望 11.8%であった.
【考察】術後補助化学療法や進行再発癌の治療ラインが浅い頃は骨髄抑制・感染の頻度50-60%と高いことから易感染状態による重症感染症に注意が必要と考えられる.治療ラインを重ねると患者の全身状態が低下してくることも多いことから治療延期率の増加を予想していたが大きな差は認めなかった.おそらく患者の全身状態を考慮した適正な減量等がなされているのではないかと考えられた. 4th line以降になると消化器症状や倦怠感,患者本人による中止希望が大幅に上昇していた.患者の全身状態に配慮した治療継続が重要でありQOLを重視した化学療法実施が望まれる.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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