演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌に対する腹腔鏡下胃全摘術における食道空腸吻合法の検討

演題番号 : P88-9

[筆頭演者]
日吉 幸晴:1,2 
[共同演者]
沖 英次:2、安藤 幸滋:2、伊藤 修平:2、坂本 快郎:1,2、佐伯 浩司:2、森田 勝:2、前原 喜彦:2

1:熊本大学大学院消化器外科学、2:九州大学大学院消化器総合外科

 

【目的】胃癌に対する腹腔鏡下胃全摘術は、手術機器の開発や手技の向上に伴って広く普及しつつある。当科で行った胃癌に対する完全腹腔鏡下胃全摘術(Totally Laparoscopic Total Gastrectomy; TLTG)における食道空腸吻合法の治療成績を検討する。
【方法】2009年から2013年までに当科で胃癌に対して行ったTLTG 45例を対象とした。再建は全例でRoux en-Y法で行い、食道空腸吻合は経口アンビル(OrVilTM)を用いた端側吻合か、リニアステープラーを用いた機能的端々吻合(Functional End to End Anastomosis; FEEA)を行った。OrVil群21例とFEEA群24例で手術成績をretrospectiveに比較検討した。
【結果】年齢、性別、腫瘍径、組織学的分化度、深達度、リンパ節転移頻度、stage、出血量には両群間に有意差はなかった。腫瘍の部位は、OrVil群でFEEA群より食道胃接合部病変の頻度が有意に多かった(47.6% vs 4.2%, P=0.0011)。また、手術時間、術後在院日数はOrVil群がFEEA群より有意に長かった(手術時間中央値: 374分 vs 317分 P=0.014、術後在院日数中央値:13日 vs 10日 P=0.0033)。術後合併症はOrVil群で2例(いずれも縫合不全)、FEEA群で2例(膵液漏と術後出血)を認め、術後出血の症例では止血術を行い、その他の症例は保存的に軽快した。合併症頻度に有意差はなかった。
【考察】食道胃接合部病変、もしくは胃上部で食道浸潤を伴う病変では、食道を通常の胃全摘術より高位で切離するため、FEEAは困難となることが多い。その場合、経口アンビルを用いた端側吻合が有用であるが、高位吻合となるため縫合不全のリスクが高くなる。今回の検討でも接合部病変ではほとんどの症例でOrVilを用いており、2例で縫合不全を認めた。また、下部食道周囲の剥離、リンパ節郭清が加わることで手術時間が延長していたものと考えられた。
【結論】TLTGにおける食道空腸吻合は安全に施行可能であるが、高位吻合となる場合は縫合不全のリスクがあり、より確実な吻合を心がける必要がある。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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