演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

合併症低減を目指した腹腔鏡下胃全摘術後食道空腸再建の工夫

演題番号 : P88-5

[筆頭演者]
六車 一哉:1 
[共同演者]
田中 浩明:1、櫻井 克宣:1、豊川 貴弘:1、渋谷 雅常:1、山添 定明:1、木村 健二郎:1、永原 央:1、天野 良亮:1、久保 尚士:1、大谷 博:1、前田 清:1、澤田 鉄二:1、大平 雅一:1、平川 弘聖:1

1:大阪市立大学大学院腫瘍外科

 

当科では鏡視下手術導入以前より、開腹胃全摘術後の食道空腸再建においてはcircular staplerを使用してきた。腹腔鏡下胃全摘術(LATG)導入後も同様の手技で食道空腸吻合を行っていたが、鏡視下手術ゆえの機器の可動制限などに起因する食道空腸吻合部関連の術後合併症が散見された。特に高度な肥満や癒着などによる空腸拳上困難症例においては、吻合部にかかる緊張が高度であり、吻合部関連の合併症が増加する傾向にある。そこで、一定の手技にこだわることなく、症例毎にベストな吻合法を選択することが肝要である。当科における吻合部関連合併症低減を目指した鏡視下食道空腸吻合法の変遷につき報告する。「手術手技」LATG導入当初は、鏡視下に小開腹創より食道に巾着縫合器をかけたのちアンビルヘッドを挿入し、体内結紮することでアンビルを留置していた。その後、体内結紮やsuturingを避けるために大森らが提唱するEST法を導入した。2007年のOrVil登場後は経口的にアンビル留置を行ってきた。これらはいずれもCircular Staplerを用いる方法であるが、近年特に吻合部に緊張のかかる症例にはOver-Lap法を選択している。Linear staplerを用いた側々吻合で、circular staplerよりも操作性・視認性は良好で、吻合部にかかる張力に対しても相対的に強力であると考える。「結果」2008年以降に施行したLATG症例40例のうち、circular stapler使用群(C群):30例、linear stapler使用群(L群):10例であった。C群の1例で、吻合トラブルにより開腹移行した。止血術が必要であった吻合部出血症例は両群ともに認めず。縫合不全はC群:3例(10%)、L群:0例で、ブジーを要した吻合部狭窄は、C群:2例(6.7%)、L群:0例であった。「結語」食道空腸吻合関連の術後合併症は患者のQOLを著しく損なうばかりでなく、予後にも影響する可能性があり、的確な状況判断と様々な吻合法を施行可能な技術を身につけておく必要がある。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:内視鏡手術

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