演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

腹腔鏡補助下幽門側胃切除の術者教育におけるイメージトレーニングの重要性

演題番号 : P88-4

[筆頭演者]
高橋 郁雄:1 
[共同演者]
越智 友洋:1、梶原 勇一郎:1、本村 貴志:1、中西 良太:1、間野 洋平:1、藤中 良彦:1、西田 康二郎:1、副島 雄二:1、西崎 隆:1

1:日本赤十字社松山赤十字病院外科

 

【背景】当院では2000年1月よりClinical T1N0を対象として現在まで288例の腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を施行しており、手技の定型化の重要性は2012年の当学会で報告し、実臨床の中で定着している。更に、腹腔鏡補助下幽門側胃切除は消化管外科医として習熟すべき手術手技と認識されてきたため、当初疾患チーフのみが術者であったものを、複数の術者ができるように、定型化された手技習得のための術者教育を開始している。今回当院赴任後にLADG 術者を始めた3名の修練過程を検証することで、どのような点が術者教育に重要であるか検討した。
【結果】[TraineeA] 卒業8年目より術者開始。初期25症例を解析。#1, 3 LNの郭清は3例、#8a LNの郭清は5例指導者が行った。術中合併症は、代用膀胱腸管損傷(執刀7例目)小開腹創からの胃牽引による脾損傷→開腹移行(執刀10例目)。執刀22例目で独立した術者としてLADGを遂行できた。手術時間は1~10例目、11~25例目で比較すると各々401、287分、出血量は180g、91gであった。術後合併症は、腹腔内膿瘍(執刀15例目)。 [TraineeB] 卒業8年目より16例執刀。術中合併症は#8a LN周囲出血(執刀4例目)、十二指腸漿膜損傷(執刀8例目)で、#8a LN周囲出血症例は執刀医交代となったが残り15例は手術終了まで完遂。手術時間317分、出血量161g。術後合併症は腹腔内膿瘍による再手術1例、ARDS1例。執刀16例目で独立した術者として遂行できた。 [TraineeC] 卒業7年目より11例執刀。術中合併症は腸間膜損傷(執刀1例目)、#8a LN周囲出血(執刀7例目)で、#8a LN周囲出血症例は執刀医交代となったが残り10例は手術終了まで完遂。手術時間312分、出血量42g。術後合併症は腸閉塞→手術1例、腹腔内膿瘍1例。手術時間、出血量、術者交代回数からみると、後から修練を開始したTraineeB,C がTraineeAと比較しいずれの項目とも改善していた。この差のtrainees側の改善要因としては、(1)術者開始までの腹腔鏡下胃切除の助手経験数、他の腹腔鏡手術の術者助手経験数の多寡 (2)若手の自主的な手術ビデオ勉強会の定期開催、などの背景の違いがあった。【結論】手術手順の中では#8a LN郭清が習得に時間を要した。15~20例程度の術者経験を積むと独立した術者として遂行が可能と思われるが、胃切除を含む腹腔鏡手術の助手経験やビデオ勉強会などによるイメージトレーニングの成否は修練過程に影響を与えていることが示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:内視鏡手術

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