演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

多種の進行癌313例に対するWT1/MUC-1パルス樹状細胞がんワクチンの有用性の検討

演題番号 : P77-11

[筆頭演者]
加藤 洋一:1 

1:新横浜かとうクリニック

 

背景 進行癌に対してWT1ペプチドパルス樹状細胞がんワクチンについて膵癌、肺癌、胆道癌の報告はあるがその他の癌腫も含めて有用性を検討する。

対象および方法 新横浜かとうクリニックにおいて2009年5月から2013年10月までに樹状細胞がんワクチンを5回以上接種した大腸癌57例、肺癌42例、膵癌38例、胃癌35例、乳癌24例、卵巣癌18例、食道癌17例、その他の癌82例、29種の悪性疾患、計313例を対象とした。 抗腫瘍効果はRECISTv1.1に準じて判定した。 生存率解析はカプランマイヤー法 Log rank testを使用した。当治療は施設の倫理委員会の承認を得ている。

結果 使用したペプチドは、WT1-1 CYTWNQMNL 220例, WT1-2 RMFPNAPYL 109例、非拘束型MUC1 204例、1種のみ149例、2種164例、2種ではWT1-1とMUC-1が65例、WT1-2とMUC-1が41例でした。 樹状細胞は313例に対して延べ332クール施行し、1回投与平均2.4 x 107個、投与回数平均6.0回、総投与細胞数平均が1.4 x108個を投与した。 治療効果は、CR 7.6%(23例)、PR 23%(70例)、SD 38%(115例)、PD 36%(101例)、RECIST非適格例 21例を解析から除外した。 癌腫別Response Rate(RR)とDisease Control Rate(DCR)は、大腸癌 28%,49%, 肺癌 31%, 81%, 膵癌 23%, 66%, 胃癌 31%, 69%, 乳癌 14%, 77%, 卵巣癌 20%, 40%, 食道癌 22%, 78%, その他の癌 42%, 71%, 診断時からの全生存期間は中央値30カ月、当院初診からの生存期間は13カ月(1年生存率51.6%, 2年生存率33.2%)、生存解析では、樹状細胞投与数に差はなく、ペプチドワクチンを1種と2種でもWT1の使用による差もなかった。

結論
樹状細胞療法は、自己腫瘍の溶解物を使用した長山らの悪性黒色腫でRR 0%, DCR 10%、桑原らの甲状腺癌でRR 0%, DCR 33%の報告がある。寺本らは、肺癌と乳癌のMUC-1ペプチドをパルスした樹状細胞療法でRR 7.7%, DCR 53.8%と報告している。WTペプチドをパルスした樹状細胞療法は、木村らが膵癌でRR 6.1%, DCR 23.1%、MST 5.6カ月、当報告ではRR 22.9%, 65.7%, MST 8.2カ月、小林らの非小細胞肺癌で、RR 8.1%, DCR 56.5 %、MST 12カ月、当報告ではRR 32.4%, DCR 79.1 %、MST 18.2カ月、これまでの報告よりも当報告がよい結果であるが、当院での適応基準が余命3カ月を見込め、通院も可能である患者を選んでいることなどバイアスが多く、今後、この治療の適応を絞っていくための因子解析や、前向き試験による正確な効果が求められる。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:免疫療法

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