演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

腫瘍関連マクロファージと胃癌リンパ節転移の相関関係

演題番号 : P77-2

[筆頭演者]
呉 幸枝:1 
[共同演者]
田中 浩明:1、德本 真央:1、大北 仁裕:1、櫻井 克宣:1、豊川 貴弘:1、久保 尚士:1、六車 一哉:1、八代 正和:1、澤田 鉄二:1、大平 雅一:1、平川 弘聖:1

1:大阪市立大学大学院医学研究科腫瘍外科

 

【背景】マクロファージは可塑性が高く、腫瘍関連マクロファージ(tumor-associated macrophage: TAM)は腫瘍微小環境においてはM2 typeに極性が変化するとされている。腫瘍浸潤TAMがリンパ管増生やリンパ節転移に関連し、予後不良因子となる事が数種の癌で報告されているが、胃癌における所属リンパ節内TAMの役割は明らかではない。今回我々は胃癌所属リンパ節を用いて、M2マクロファージ(M2Mφ)数と分布を調べ、胃癌リンパ節転移進展との関係について検討した。

【方法】病理組織学的にリンパ節転移陰性の胃癌症例18例と、リンパ節転移陽性31例の摘出リンパ節切片を用いた。リンパ節転移陽性の標本はサイトケラチンAE1/AE3抗体で腫瘍細胞の免疫組織染色を行い、転移巣の大きさ・分布を確認した。M2Mφは抗CD163抗体を用いて染色を行い、同定・計測を行った。また腫瘍からの位置とリンパ流を考慮して領域リンパ節をさらに4領域に細分類してマッピングを行い、領域毎にM2Mφ数の解析を行った。

【結果】胃癌所属リンパ節において、転移リンパ節内M2Mφ数は正常リンパ節内M2Mφ数に比べ有意な増加を認めた(p<0.0001)。病理組織学的因子の検討では病期とリンパ節転移個数がM2Mφ数と正相関を示した。転移の有無に関わらずM2Mφの分布は、胃癌原発巣に最も近い領域に多く、さらにリンパ節転移が進行した症例ではより遠位領域の正常リンパ節でもM2Mφ数が増加していた。

【結論】
所属リンパ節内のM2Mφ数は胃癌リンパ節転移や進展と有意に関連し、転移形成前にM2Mφが転移リンパ節内に浸潤している可能性があり、またM2Mφは転移の拡大と相関して周囲の正常リンパ節に浸潤していくことが考えられた。M2Mφに関連した何らかの分子が胃癌リンパ節転移予測の新たなバイオマーカーになり得る可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:腫瘍免疫

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