演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

前立腺癌における重粒子線治療とX線による強度変調放射線治療の直腸線量の比較

演題番号 : P74-8

[筆頭演者]
久保 亘輝:1 
[共同演者]
河村 英将:1、加藤 弘之:1、村田 和俊:1、川原 正寛:1、大野 達也:1、中野 隆史:1

1:群馬大学重粒子線医学研究センター

 

【目的】前立腺癌の重粒子線治療は単施設の観察研究で直腸の有害事象がX線の治療と比較して少ないとの報告があるが、比較試験はなく、線量分布の比較も行われていない。今回、当院で実際に治療した前立腺癌の治療例について2つの治療法の線量分布を比較した。
【方法】2010年から2013年に当院で重粒子線治療を施行した76例とX線による強度変調放射線治療(IMRT)を施行した76例の治療計画を後ろ向きに解析した。標的体積は照射方法ごとに臨床的に設定されたそれぞれのプロトコールに従って作成した。直腸はS状結腸移行部から肛門の範囲と定義した。総線量は重粒子線治療で57.6Gy(RBE)/16回、IMRTで63Gy/21回を用いた。直腸の体積線量はそれぞれの治療法の相対線量を用いて評価した。
【結果】直腸のV30%/50%/70%/90%は重粒子線治療で17.3±4.1%/10.9±2.7%/7.0±2.0%/3.6±1.2%であり、IMRTで は42.2±10.4%/23.1±7.2%/13.6±4.7%/6.6±2.8%であった。直腸のD1cc/2cc/5cc/10ccは重粒子線治療で 96.7±2.3%/89.7±5.3%/61.3±10.3%/30.1±9.7%であり、IMRTでは99.0±2.9%/95.3±4.9%/81.0±9.3%/58.3±10.5%であった。IMRTと比較して重粒子線治療では直腸の線量がより低い結果となった。
【結論】実地臨床として同一施設で行われた重粒子線治療とIMRTの線量分布を比較したところ、直腸線量は重粒子線治療で低減されていた。前立腺癌の重粒子線治療において、直腸有害事象が少ないことのひとつの因子として物理的な線量分布の影響が示唆された。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:放射線治療

前へ戻る