演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

デガレリクスとビカルタミド併用前立腺癌CAB療法における初期治療効果と効果予測因子

演題番号 : P71-13

[筆頭演者]
徳光 正行:1 
[共同演者]
山口 聡:1、増井 則昭:1、金子 茂男:1、水永 光博:2、石田 裕則:1

1:医療法人 仁友会 北彩都病院泌尿器科、2:医療法人 仁友会 泌尿器科内科クリニック

 

【緒言】欧米のデガレリクス単剤治療では、IPSS 12以上、PSA 50ng/ml以上、有骨転移症例等で、制癌や排尿障害改善の有効性が示され投与が推奨されているが、邦人の治療成績は2012年の単剤投与第II相試験結果のみで、未だその治療の位置付けは明確でない。我々は昨年の本学会で、デガレリクスとビカルタミド併用CAB療法25例の12週までの成績を初めて報告し、単剤治療やLHRH agonist使用CAB療法を上回るPSA制御効果と、治療2週目のPSA急速低下例、IPSS 10以上、PSA 30以上の症例での、有意な排尿症状改善を確認した。今回はCAB療法48週までの治療効果と効果予測因子について検討した。
【方法】対象は2014年2月時点でのデガレリクスとビカルタミド併用CAB療法37例。治療48週までのPSA、Testosterone(以下T)、前立腺体積(PV)、残尿量(RU)、IPSS-S、L、OABSS、最大/平均尿流率(MFR/AFR)の推移を検討した。
【結果】症例背景は平均74.0歳、PSA中央値17.7ng/ml、平均T値 4.34ng/ml、平均PV 32.6cc。限局癌18例、局所浸潤癌10例、転移癌9例。GS 6が9例、7が7例、8以上が21例。T低下率は2~48週まで-93~-96%と去勢域を維持。PSA低下率は2週で-63.6、4週で-86.8、12~48週で-97~-99%と、速やかな改善と維持を確認、PSA再燃は36週での1例のみであった。PV 30cc以上(n=17)とそれ未満(n=20)の2群に分けると、前者は限局癌が少なく(6:12)、局所浸潤癌が多く(7:3)、18カ所生検での癌検出本数も多い(9.2:7.5)傾向にあり、PSA中央値は有意に高く(47.8:12.1)、担癌量も多いと推測された。TとPSA低下率、PV縮小率に2群間の差はなかったが、IPSS-S、L、MFR、AFR、RUにおいて4週から有意差がみられ、24週でSが-5.0:-3.5、Lが-2.1:-0.8、MFRが+4.9:+1.8、AFRが+2.6:+1.2、RUが-29.5:-15.4と、前者で有意に改善していた。
【結論・考案】邦人デガレリクスCAB療法が、IPSS 10以上、PSA 30以上の他、PV 30以上でも、排尿症状・機能が有意に改善することを示した。この治療による腫瘍の急速制御が機械的閉塞を速やかに解除したこと、膀胱頸部~前立腺部尿道に分布するGnRH受容体をデガレリクスが直接阻害し機能的閉塞を解除したこと、この相乗効果が、担癌量のみならずPVも大きく、症状の強い症例に顕著に現れたと推察された。我々は従来のCAB療法との比較検討も実施中で、長期データ集積により、邦人デガレリクス治療の制癌効果も含めた至適投与推奨基準を明確にしたいと考えている。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:内分泌・ホルモン療法

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