演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

アンドロゲン除去療法施行前立腺癌患者における早期腎機能障害の検討

演題番号 : P71-8

[筆頭演者]
増田 広:1 
[共同演者]
杉浦 正洋:1、芳生 旭辰:1、稲原 昌彦:1、荒木 千裕:1、小島 聡子:1、納谷 幸男:1

1:帝京大学ちば総合医療センター泌尿器科

 

【目的】アンドロゲン除去療法は、進行性前立腺癌患者に対して主軸となる治療方法である。しかし、前立腺癌患者に対するアンドロゲン除去療法で、急性腎障害のリスクが増加する可能性があると報告されている。今回、アンドロゲン除去療法を施行した前立腺癌患者の早期腎機能障害の出現について検討した。
【対象と方法】2009年1月より2013年7月まで当院において前立腺針生検を施行し、病理学的に前立腺癌と診断され、6ヶ月以上アンドロゲン除去療法を施行した135例のうち、今回の評価項目すべてを満たした110例を対象とし、レトロスペクティブに検討した。それぞれの期間の腎機能障害の評価としては、eGFR(estimated glomerular filtration rate) の変化率を用い、(治療後eGFR-治療前eGFR)/治療前eGFR×100で算出した。6か月後腎機能障害の有無に関しては、治療前のeGFRの値と比較した。6ヶ月後腎機能障害出現の危険因子につき、年齢、治療開始前の腎機能障害の有無、1か月後、3か月後eGFR変化率、PSA、テストステロン、ヘモグロビン、ステージ、治療方法、Gleason score、高血圧の有無、糖尿病の有無、脂質異常症の有無、BMI(Body Mass Index)について統計学的解析を行った。
【結果】治療6か月後の腎機能低下例は69例(63%)であった。1か月後腎機能低下率は、平均0.6%、3か月後は平均3.1%、6ヶ月後に平均1.7%と低下していた(P<0.001)。治療前の腎機能障害の有無は、6か月後の腎機能障害に影響は与えなかった。単変量解析では、1か月後eGFR変化率、3か月後eGFR変化率、高血圧の有無、脂質異常症の有無に統計学的有意差を認めた。多変量解析では、3か月後eGFR変化率(オッズ比;0.95、P=0.0070)、高血圧の有無(オッズ比;3.17、P=0.0107)で統計学的有意差を認めた。
【結論】アンドロゲン除去療法による腎機能障害は早期に出現することが示唆された。治療3か月後のeGFR変化率が低ければ、早期の腎機能障害が出現する可能性は低いと思われた。高血圧は、6か月後の腎機能障害の予測因子であり、アンドロゲン除去療法施行中においては、血圧のコントロールを適切に行うことで早期の腎機能障害は回避できる可能性があると思われた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:内分泌・ホルモン療法

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