演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

前立腺癌に対するアンドロゲン遮断療法後のテストステロン値に関する検討

演題番号 : P71-4

[筆頭演者]
明比 直樹:1 
[共同演者]
榮枝 一磨:1、日下 信行:1、神原 太樹:2

1:財団法人津山慈風会津山中央病院泌尿器科、2:高知県・高知市病院企業団立高知医療センター泌尿器科

 

【目的】前立腺癌に対するアンドロゲン遮断療法(androgen deprivation therapy;ADT)後のテストステロン値について詳細な報告は少ない.またADT後のfollow-upについてはPSAで行われることがほとんどであり,前立腺癌の増殖に深く関係するにもかかわらず一般的にテストステロン測定の有用性はあまりないとされている.Castration levelの定義について一般的には50ng/dl以下が用いられることが多いが,これは40年以上前に定義されたものであり,最近ではchemiluminescence法の発達によりより低い20ng/dl以下を主張する報告もあり,また低い値に下げることで予後の改善が期待できるといった報告もある.またGnRHアンタゴニストはすみやかにテストステロン値を下げることができ,LHRHアゴニストに比べPSA無増悪生存率が良好であると報告されている.今回両者と外科的去勢症例も含めて治療開始後のテストステロン値の推移を中心に臨床的検討をおこなった.
【対象と方法】当院において前立腺癌に対するADT後3ヶ月後,6ヶ月後,12ヶ月後にテストステロンを測定している症例を対象とし,同時にPSA値の変化率についての検討も行った.【結果】ADTとしては外科的去勢13例,LHRHアゴニスト64例,GnRHアンタゴニスト9例で,LHRHアゴニストあるいは外科的去勢+カソデックスによるCAB療法は36例に施行されており,GnRHアンタゴニストでは全例カソデックス併用によるCAB療法が行われていた.臨床病期としてLHRHアゴニスト群でstageB 37例,C 13例,D 12例であったのに比べGnRHアンタゴニスト群ではstageB 1例,C 1例,D 7例と進行例が多かった.治療開始後3ヶ月,6ヶ月のテストステロン値の平均値は外科的去勢群が30.2,29.7ng/dl,LHRHアゴニスト群が25.5,25. 7ng/dlであったのに比べ,GnRHアンタゴニスト群は15.6,13.6ng/dlと20以下の低値であった.またPSA値の3ヶ月後,6ヶ月後の変化率はGnRHアンタゴニストによるCAB療法で97%,96%,LHRHアゴニストによるCAB療法で98%,98%と良好であったが,LHRHアゴニスト単独では88%,91%とCAB療法を行った群に比べやや低かった.【まとめ】GnRHアンタゴニストはLHRHアゴニストや外科的去勢に比べ,テストステロンをより低値に下げることができる.また少数例で短期間の検討であるが,GnRHアンタゴニストは他の療法に比べ,テストステロン値の変動が少ない印象であった.各治療群別にさらに詳細に検討する予定である.

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:内分泌・ホルモン療法

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