演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

分子標的薬で治療を行った転移性腎細胞がんにおける予後予測因子についての検討

演題番号 : P67-14

[筆頭演者]
寺井 一隆:1 
[共同演者]
山口 雷蔵:2、中島 晶子:2、平野 央:1、深谷 香織:1、高畑 創平:1、知名 俊幸:1、青木 裕章:1、塩澤 真司:1、久末 伸一:1、和久本 芳彰:1、堀江 重郎:1

1:順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科、2:帝京大学泌尿器科

 

目的:転移性腎細胞癌(mRCC)においては、PS、ヘモグロビン(Hb)値、LDH、CRPなど様々な予後因子が報告されている。近年body mass index(BMI)、body surface area(BSA)、visceral fat area(VFA)などが予後因子となり得るとの報告が散見される。今回我々は、分子標的薬治療前のBMI、アルブミンなどの栄養状態が予後因子となり得るかの検討を行った。
対象と方法:順天堂大学および帝京大学において、2008年5月以降に分子標的薬治療を行った60例を対象とした。全生存率(Overall survival:OS)についてKaplan-Meier法により検討を行った。予後因子として分子標的薬投与前のHb、CRP、アルブミン(Alb)、BMIをパラメーターとしてLog-rank検定によって単変量解析を施行し、Cox比例ハザードモデルにより多変量解析を行った。
結果:男性46例、女性14例、治療開始時の年齢中央値は69歳(範囲:43-81歳)、分子標的薬治療開始からの平均観察期間は32ヶ月であった。主な転移巣は肺:34例(57%)、骨:21例(35%)肝臓:8例(13%)、脳:5例(8%)、リンパ節:18例(30%)であった。Hb中央値は11.8(8.2-16.4)、CRP1.2(0-21.8)、アルブミン値3.7(1.9-4.7)、BMI 21.6(17-29)であった。Log-rank検定による単変量解析ではHb:12g/dl、CRP: 0.5mg/dl, アルブミン値:3.5g/dl, BMI: 22kg/m2をカットオフとしたところ全てにおいて統計学的に有意な差を認めた(Log-rank検定:p<0.05)。この4つの因子についてCox比例ハザードモデルによる多変量解析を行ったところ、BMIのみが有為な予測因子であった(p=0.0035)。
結語:今回の我々の検討では分子標的薬で治療を行ったmRCCにおいてBMI≥22kg/m2のみが、全生存率に寄与していた。これまでの報告同様、羸痩が予後不良因子と考えられ、このような患者においては治療開始前に患者および家族に予後について充分なインフォームドコンセントが重要であるものと考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:バイオマーカー

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