演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

転移性腎癌に対する分子標的治療における導入時の腎機能と予後の検討

演題番号 : P67-13

[筆頭演者]
石津谷 祐:1 
[共同演者]
岩西 利親:1、山口 唯一郎:1、中井 康友:1、中山 雅志:1、垣本 健一:1、西村 和郎:1

1:地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター泌尿器科

 

【背景と目的】転移性腎癌の予後は分子標的治療薬により改善がみられているが、その導入時点で腎摘後の症例が多いこと、分子標的治療薬による腎機能障害が起こり得ることから、注意を要する。分子標的治療薬導入時の腎機能と、全生存期間(OS)や薬剤の中止・変更を要する腎機能障害の関連について検討した。【対象と方法】当センターにおいて2008年6月から2014年2月までの期間に、転移性腎癌に対し、分子標的治療薬(ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、エベロリムス、テムシロリムス)を投与した88例を対象とした。腎機能の評価はeGFRを用い、分子標的治療薬導入時点でeGFR 50ml/min/1.73m2をカットオフとして分類した。【結果】男性67例、女性21例。分子標的治療薬導入時の年齢の中央値は65歳(19~80歳)。腎摘あり73例、腎摘なし15例。MSKCCリスク分類は、favorable群 24例、intermediate群 46例、poor群 28例。eGFRの中央値は55.5ml/min/1.73m2(28.4~105.2 ml/min/1.73m2)、50ml/min/1.73m2未満が26例、 50ml/min/1.73m2以上が62例。投与薬剤は、ソラフェニブ49例、スニチニブ59例、アキシチニブ25例、エベロリムス20例、テムシロリムス18例(重複あり)。観察期間の中央値は14ヶ月(1~61ヶ月)。生存期間の中央値はeGFR 50ml/min/1.73m2未満の群で31ヶ月(1~61ヶ月)、eGFR 50ml/min/1.73m2以上の群で23ヶ月(1~46ヶ月)であった。腎機能障害による薬剤の中止・変更はeGFR 50ml/min/1.73m2未満の群26例中2例でみられ、2例ともソラフェニブ投与中に発症した。1例は血液透析導入を要し、もう1例も不可逆な腎機能障害を来たし、best supportive careに移行した。eGFR 50ml/min/1.73m2以上の群では、62例中1例で、アキシチニブ投与中に腎機能障害をきたし、薬剤の中止・変更を必要としたが、薬剤変更により改善した。【結語】腎機能低下が見られる症例でもOSに明らかな低下は認められなかったが、ときに重篤で不可逆な腎機能障害をきたす可能性があり、慎重な経過観察が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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