演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

転移性腎癌に対する分子標的薬の逐次治療の検討

演題番号 : P67-12

[筆頭演者]
山田 徹:1 
[共同演者]
河田 啓:1、土屋 邦洋:1、石田 健一郎:1、谷口 光弘:1、高橋 義人:1

1:地方独立行政法人岐阜県総合医療センター泌尿器科

 

【目的】腎癌に対する分子標的薬治療としてチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)およびmTORi阻害薬(mTORi)が使用され,複数の分子標的薬の逐次療法が施行される.当科でも3年以上の生存をえる症例が増加しており,逐次療法の比較検討をおこなった.
【対象と方法】
当科において転移性腎癌に分子標的薬治療を施行した症例を対象とした.症例は29例(男性22例,女性7例),年齢は中央値65.3歳(33~80),初発時に有転移症例14例,転移なくその後に転移出現例が15例であった.腎摘除術施行は25例,未施行は4例,病理は淡明細胞型20例,乳頭状2例,嫌色素性3例,分類不能型肉腫様癌2例,不明2例であり,治療開始時のMSKCC criteriaは favorable10例,intermediate16例,poor3例であった.1st line-2nd lineの逐次投与がTKI-TKI(T-T)例とTKI-mTORi(T-M)例を投与期間,全生存期間について Mann-WhitneyU testにて比較検討した.
【結果】
転移性腎癌に対する初回治療が免疫治療は7例であった.分子標的薬の1st lineは,ソラフェニブ(Sor)8例,スニチニブ(Sun)16例,テムシロリムス(Tem)4例,アキシチニブ(Axi)1例,エベロリムス(Eve)無しであった.T-T群は12例(Sor-Sun 2例,Sun-Sor 5例,Sun-Axi 5例),T-M群は 5例(Sun-Eve 3例,Sor-Eve 1例,Sun-Tem 1例)であった.TKIとmTORiの両剤を最終的に使用した症例は19例であり,T-T群の12例中,その後mTORi投与は7例あり,T-M群の5例中,その後 Axi投与が4例あった.
分子標的薬の投与期間中央値は,全症例で19.8ヶ月(0.7~64.6),T-T群は17.1ヶ月(4.7~64.4),T-M群は26.9ヶ月(11.7~37.0)であった.分子標的薬開始からの生存期間中央値は,全症例で13.3ヶ月(0.4~64.4),T-T群は25.0ヶ月(16.7~64.4),T-M群は26.9ヶ月(14.5~44.5)であった. 両群で投与期間,生存期間で有意差を認めなかった.全例中,生存期間3年以上が10例(4年以上3例,5年以上2例)あり,投与薬剤はTKIのみが5例(Sorのみ1例,Sunのみ2例),TKIとmTORi両剤投与が5例であった.
【考察・結論】
T-T群とT-M群では生存期間に有意差を認めなかった.T-T群は投与期間が短い傾向にあったが,その後mTORiにて生存期間を延長できている症例を認めた.現時点では逐次療法として両群に差はなく,併存症や合併症によって安全に投薬できる薬剤を選択することが重要であり,効果を認めない時は別の薬剤に変更していくことも重要であると考える.

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

前へ戻る