演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

75歳以上の高齢者における転移性腎癌に対する分子標的治療

演題番号 : P67-11

[筆頭演者]
中河 秀生:1 
[共同演者]
本郷 文弥:1、大石 正勝:1、山田 恭弘:1、上田 崇:1、藤原 敦子:1、中西 弘之:1、内藤 泰行:1、中村 晃和:1、鴨井 和実:1、沖原 宏治:1、三木 恒治:1

1:京都府立医科大学大学院医学系研究科泌尿器外科学

 

【目的】2012年8月にaxitinibの発売が開始され、本邦で進行性腎細胞癌に使用可能な分子標的治療薬は5剤となり、高齢者への使用経験も増加してきている。そこで、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるsorafenib、sunitinib、axitinibによる治療を行った高齢者についての検討を行った。
【対象】当施設で転移性腎癌に対してTKIの投与を行った75歳以上の高齢者27例(sorafenib 12例、sunitinib 10例、axitinib 5例)を対象とした。平均年齢はsorafenib 79歳、sunitinib 78歳、axitinib 78歳であった。25例で腎摘除術を施行され、組織型判明例23例のうち19例が淡明細胞癌であった。MSKCCリスク分類はfavorable 7例、intermediate 19例、poor 1例であった。9例がfirst lineで投与されていたが、axitinib群は全例で免疫療法や他の分子標的治療による前治療が行われていた。転移巣の内訳は、肺21例、リンパ節8例、骨7例、副腎4例、肝・膵が3例ずつ、対側腎・局所再発、胸膜、腸腰筋が1例ずつであった。
【結果】開始時投与量、投与期間はsorafenibで400-800mg(平均533mg)、1週間-33ヶ月(平均8.3ヶ月)で、sunitinibで25-50mg(平均36.25mg)、0.5-27ヵ月(平均7ヵ月)、axitinibで全例10mg、投与継続例も含め11-15ヵ月(平均13ヵ月)であった。無増悪生存期間中央値はsorafenib 3ヵ月、sunitinib 3ヵ月、axitinib 4ヵ月であった。治療効果を、判定可能であった症例のみBest Responseで評価すると、PR 6例(26%)、SD 14例(61%)、PD 3例(13%)であった。G3以上の有害事象については、sorafenibで多形紅斑が2例、高血圧、間質性肺炎、狭心症、手足症候群および碑梗塞を1例ずつ、sunitinibで血小板減少症が4例、好中球減少と高血圧が2例ずつ、手足症候群と右心不全を1例ずつ、axitinibでは高血圧が2例、血清アミラーゼ上昇を1例に認めた。
【結語】高齢者は心血管系の合併症を有することが多く、以前はsorafenibが選択される傾向があったが、axitinib承認後は、second line以降のaxitinib投与症例が増加してきている。また一時的にではあるが腫瘍縮小効果を認める症例も多く、高齢者であってもTKIによる治療の有効性があると考えられた。ただし重篤な有害事象の発現に十分注意することと、有害事象に応じて早期に減量・休薬とすることが望ましいと考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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