演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

進行性腎癌分子標的薬治療例におけるリスク分類の妥当性の評価

演題番号 : P67-9

[筆頭演者]
福井 直隆:1 
[共同演者]
神田 敏博:1、影山 幸雄:1、東 四雄:1

1:埼玉県立がんセンター泌尿器科

 

【目的】進行性腎癌ではリスク分類は様々なものが提唱されている。従来のサイトカイン療法に加えて2008年4月より分子標的薬が使用可能となり、主にMemorial Sloan-Kettering Cancer Center(MSKCC)のリスクモデルをもとに治療方針が検討されている。しかしながら、各リスク分類の妥当性についてあまり評価はなされていない。当院での分子標的薬導入を行った症例につき、リスクの評価の妥当性と問題点を検討する。【対象】2008年4月~2013年12月に病理学的ないし画像にて腎癌と診断し、当科で分子標的薬治療を行った進行性腎癌の31例を対象とした。MSKCC、The International Metastatic Renal-Cell Carcinoma Database Consortium(IMDC)、Naitoらのモデルにつき妥当性を評価した。【結果】観察期間中央値15か月(2-63)で、この間に19例が癌死された。MSKCC/IMDC/Naitoらのモデルでは、Favourable risk (Fav) 3/3/16例、Intermediate risk(Int)26/22/15例、Poor risk(Por)2/6/0例に分類され、50%生存期間はFav 到達せず/到達せず/20ヶ月、Int 19/19/10ヶ月、Por 6/5/-ヶ月であった。MSKCC/IMDC/NaitoらのモデルにおけるFav vs. IntのP値(Log-rank)は0.0425/0.0514/0.1641、Int vs. Porは0.0205/0.0162/-であった。MSKCC/IMDCのInt生存期間は2-60/2.8-63ヶ月と共に大きく幅があり、Hb低値または腎癌診断から治療までの期間が1年未満の項目でIntに分類された症例で比較的長期の生存が得られていた。また、MSKCCとIMDCにてIntとPor例に限ると、Int/Porで一致が21/1例でIntとPorの不一致が6例にみられた。50%生存期間はIntで一致例/IntとPorの不一致がみられた例で20/5ヶ月であり、不一致例で有意に予後不良であった(p=0.0079)。【考察】当院の進行性腎癌症例では、MSKCC、IMDCのモデルで比較的良い予後予測が可能であった。どちらの分類もIntに区分けされる症例が多く、この群内での生存期間には大きな幅がある。MSKCC、IMDCのモデルでは、Intにリスク因子が1-2当てはまると分類されるが、腎癌術後の貧血や緩徐な増大傾向を示す転移性腎癌新鮮例なども含まれることになる。また、一方で予後不良な例も混在しており、Intとなった要因や、他のリスクモデルでの評価や従来予後不良因子と考えられていた因子も考慮した上で利用する必要がある。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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