演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

腎癌骨転移症例に対する分子標的治療の臨床的検討

演題番号 : P67-7

[筆頭演者]
大庭 康司郎:1 
[共同演者]
宮田 康好:1、浅井 昭宏:1、光成 健輔:1、松尾 朋博:1、望月 保志:1、酒井 英樹:1

1:長崎大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器科学

 

(目的)腎細胞癌の約25-30%は遠隔転移を有する転移性腎細胞癌であり、根治的手術を行っても約20%に術後再発・転移を認めるとされ、腎細胞癌においては転移の有無が重要な予後因子であることはよく知られている。その転移巣についての検討では、骨への転移は予後不良であるとされ、また骨転移は患者のQOLに与える影響も大きい。分子標的時代においてもその重要性に変わりはないものと思われる。今回我々は、骨転移を有する転移性腎細胞癌について臨床的検討を行った。
(対象と方法)当科にて骨転移を有する転移性腎細胞癌と診断され治療を行った30例のうち、分子標的治療薬を使用した21例を対象として後ろ向きに検討した。観察期間は分子標的治療を開始してから最終観察日(2014年1月31日)までとし、2年生存率はKaplan-Meier法で算出した。
(結果)男性17例、女性4例で、年齢の中央値は60歳であった。腎摘除術は18例に施行され、腎摘時に13例ですでに転移を認めた。病理組織診断では、clear cell RCCが13例、papillary RCC type 1が1例、type 2が3例、chromophobe RCCが2例、spindle cell carcinomaが2例であった。MSKCC risk classificationは、favorableが2例、intermediateが14例、poorが5例で、骨転移のみ認めた症例は5例であった。第1選択の分子標的治療薬は、sorafenib 12例、sunitinib 5例、temsirolimus 2例、everolimus 1例、Axitinib 1例で、骨転移巣に対する治療として、外科手術を施行したのは6例、放射線照射を行ったのは7例、ゾレドロン酸を併用したのは8例、デノスマブを併用したのは2例であった。治療中に骨転移巣の増悪を認めたのは7例で、CTCAE v4.0でgrade 3以上の有害事象としては血液毒性5例、顎骨壊死3例、薬疹1例、蛋白尿1例で、SRE(骨関連事象)は1例に認めた。腎細胞癌と診断されてからの生存期間は中央値22.1ヶ月 (1-65ヶ月)で、2年生存率は53.2%であった。
(結論)今回の検討では、集学的治療による生存率はこれまでの報告と比較し遜色ない結果であった。分子標的治療に加え、骨転移巣に対する積極的な外科治療、ゾレドロン酸またはデノスマブの投与、放射線療法の併用を行うことで、骨転移巣の進行を抑制しSREを予防する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:集学的治療

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