演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

当院における、腎癌に対する分子標的薬の術前投与の検討

演題番号 : P67-5

[筆頭演者]
矢津田 旬二:1 
[共同演者]
鹿瀬島 裕:1、田上 憲一郎:1、村上 洋嗣:1、倉橋 竜馬:1、前田 喜寬:1、榊田 裕士:1、杉山 豊:1、河野 吉昭:1、高橋 渡:1、江藤 正俊:1、和田 孝浩:2、仲西 寿朗:3

1:熊本大学医学部附属病院泌尿器科、2:公立玉名中央病院泌尿器科、3:いとしまクリニック泌尿器科

 

【目的】近年、様々な分子標的薬治療の出現により、腎細胞癌に対する治療は大きく変化した。現在本邦では5種類の分子標的薬が使用可能である。今回、我々は両側発生腎細胞癌症例や、切除困難な進行性腎細胞癌症例に対して、presurgical分子標的薬治療を行い、その有効性について臨床的検討を行った。
【対象】熊本大学医学部附属病院泌尿器科において、2013年3月~2014年2月の期間でpresurgical分子標的薬治療を行った6例に対して検討した。
【結果】手術を実際に行ったのは5例(83.3%)であった。投与した薬剤はアキシチニブが3例、スニチニブが4例、テムシロリムスが1例であった(1例が3剤使用)。術前の内服期間は67~218日(中央値73日)であった。stage Iが1例、IIIが2例、IVが3例であった。MSKCC分類は全例intermediateであった。手術施行した症例の術前評価は全例SDであった。主な有害事象は高血圧、手足症候群、甲状腺機能低下、血小板減少、白血球減少、貧血等であった。組織型は淡明細胞癌が5例、嫌色素性腎細胞が1例であった(ただし、1例は両側腎細胞癌であり片側が淡明細胞癌、もう片側が嫌色素性腎細胞癌であった)。以下に手術症例の要約を示す。1例が開腹右腎摘出術+下大静脈合併切除(+グラフト置換。7時間30分)+胸腔鏡下縦隔リンパ節切除(2時間) 出血量3000ml。1例が開腹右腎摘出術+右腎門部リンパ節廓清+下大静脈合併切除+腹大動脈合併切除(グラフト置換術。10時間33分)出血量4000ml。1例が開腹右腎摘出術+腎静脈塞栓除去術(4時間42分)出血量398ml。1例が開腹右腎摘出術(6時間16分)出血量1902mlと開腹左腎部分切除術(4時間21分)出血量230ml。1例が腹腔鏡下左腎摘出術(4時間17分)出血量250ml+右腎部分切除術(5時間2分)出血量600mlであった。全例進行例ということで、高侵襲な手術となった。しかし現時点で術後に3例がsurgical CRとなっており、1例が術前肺転移症例であり、術後エベロリムス投与によりSDの状態である。
【結論】presurgical分子標的薬治療においては、benefitがある症例もあるが、無効果であった場合のことも考慮して症例を選択することが重要である考えられた。また、単腎例や両側腎細胞癌例で、腫瘍を縮小させることにより、腎機能が温存できる症例で考慮すべきと考えられる。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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