演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

血中GM-CSF値は転移性腎癌に対するTKI治療の効果を予測する

演題番号 : P67-2

[筆頭演者]
山田 大介:1 
[共同演者]
松下 博和:3、東 剛司:3、中川 徹:2、永田 政義:4、山田 幸央:2、鈴木 基文:2、藤村 哲也:2、福原 浩:2、久米 春喜:2、窪田 徹也:1、立川 隆光:1、本間 之夫:2、垣見 和弘:3

1:社会医療法人社団木下会千葉西総合病院泌尿器科、2:東京大学医学部附属病院泌尿器科、3:東京大学医学部附属病院免疫治療学、4:独立行政法人国立国際医療研究センター病院泌尿器科

 

[目的]転移性腎癌に対するTKI(tyrosine kinase inhibitor)治療が盛んに行われているが、効果があるかは投与してみないと分からないのが現状である。我々は治療前に予測するバイオマーカーを探索した。
[方法]2012年より2013年に転移性腎癌患者で治療前に同意を得られた症例の血液を使用した(東京大学医学部付属病院 研究倫理審査番号:3652)。血漿から27種類のサイトカインを測定した。TKIの治療効果は投与開始後8週から12週の間に評価した。
[結果]参加した症例は13例(男性11例、女性2例)で平均年齢は63歳(50-77歳)であった。投与されたTKIはスニチニブ8例、アキシチニブ4例、ソラフェニブ1例であった。治療効果の内訳はPartial response (PR)5例(38%)、Stable disease (SD)4例(30%)、Progressive disease (PD)4例(30%)であった。27種のサイトカインの内、有意差があったのはGM-CSF(Granulocyte macrophage colony-stimulating factor) で、PR症例に高値を示した(PR 123±36、SD 54±29、PD 57±25; 平均±SD pg/ml、p=0.012)。
[考察]GM-CSFはMDSCs(myeloid-derived suppressor cells)の分化を促進する。MDSCsはCD8陽性T細胞の免疫寛容を誘導する。このことは腫瘍が免疫系からの攻撃を逃れる主なメカニズムと考えられている。GM-CSFをノックダウンするとCD8陽性T細胞の殺細胞活性が回復することが確かめられている。また、TKIはMDSCsを減少させ、Tリンパ球の機能を正常化することも報告されている。つまり、GM-CSF高値の症例はMDSCsが多くT細胞の殺細胞効果から逃れており、TKIの効果が大きく得られる症例と考えられる。この様なことから、血中GM-CSF値が転移性腎癌に対するTKI治療の効果を予測するバイオマーカーになったと考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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