演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

転移性腎細胞癌におけるCytoreductive Nephrectomyの検討

演題番号 : P67-1

[筆頭演者]
佐塚 智和:1 
[共同演者]
山田 康隆:1、菅原 翔:1、山本 賢志:1、黒住 顕:1、仲村 和芳:1、巣山 貴人:1、二瓶 直樹:1、市川 智彦:1

1:千葉大学大学院医学研究院泌尿器科

 

【目的】免疫療法時代においてCytoreductive Nephrectomy(CN)はその後のインターフェロン療法による生存率の有意な延長が認められた。また、近年様々な臨床試験のもと分子標的薬の有用性が確認され本邦でも使用が拡大されている。そこで当科における遠隔転移を認める腎細胞癌手術症例をretrospectiveに検討し、分子標的薬導入前後の生存率の比較、臨床病理学的な予後不良因子、分子標的薬時代おけるCNの有無別の生存率につき解析する。
【対象と方法】対象は千葉大学泌尿器科単一施設において1990年から2013年までに診断時に遠隔転移を認める腎細胞癌症例でCNを施行した66例と分子標的薬時代にCNを施行しなかった15例を対象とした。CN症例66例は術前に補助的治療はしていない。全生存率、診断時の臨床的因子、病理学的因子、分子標的薬治療前後の時代別において予後因子につきKaplan-Meier法を用いてLog-rank検定を施行した。多変量解析はcox比例ハザードモデルを用いて評価した。P=<0.05を統計学的有意差ありと定義した。2008年以降を分子標的薬時代とした。
【結果】観察期間は中央値18.5カ月(1-154)であった。手術時年齢は中央値62.5歳(32-83)である。35例が分子標的薬前、31例が分子標的薬後であった。術後50%全生存率は31か月であり、5年全生存率37%であった。分子標的薬前時代の50%全生存率は25か月、分子標的薬時代の50%全生存率は35か月であったが、両群間に統計学的有意差は認めなかった。ECOG Performance statusが1以上、若年層、CRP高値、組織型が淡明細胞がん以外を含むものが臨床的、病理学的因子において全生存率において独立した予後不良因子であった。また31例の分子標的薬時代のCNあり群と、同時代における15例のCNなし群の生存率は統計学的有意差をもってCNあり群が良好であり、CNなし群における50%全生存率は7か月であった。
【結語】統計学的な有意差はないものの、分子標的薬時代において、それ以前の免疫療法が中心の時代と比較し生存率は高い傾向にあり、かつ分子標的薬時代においても患者背景に違いがあるがCN群の生存率が高く、現在の分子標的薬時代においてもCytoreductive Nephrectomyの有用性があると示唆された。予後不良因子を含む症例における手術適応については十分検討する必要がある。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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